子供の目線

よく行くスーパーの洋生菓子売り場の棚の上には、空気で膨らませたバルーンのアンパンマンがいる。でかい。アンパンマンのまるい顔だけで直系1メートルはありそうだ。

こんなに大きなアンパンマンなのに、しばらく私は気づかないでいた。
従姉妹の小学生の娘に聞けば、
「ずーっと前からいたよ。去年からいた。」
と、言うではないか。

そのスーパーでおやつをどれにしようか迷っていた時に、幼い子供の可愛らしい声が店内に響いた。それでやっと気づいたのである。

「ママー、アンパンマンがいる!」

最初、私は着ぐるみのアンパンマンがウロウロしているのかと思って店内を見回した。だが、その小さなお子ちゃまが指差す方向を目で追うと私の目線より少し上に、いた。アンパンマンが。

あなたは、いつからそこに?

いつも私は下ばかり見ていて、アンパンマンの存在に気づかなかったらしい。あんなにでかいのに。
私は、アンパンマンより洋生菓子売り場に並んだスイーツに目を奪われていたのだ(言い訳)。

アンパンマンの存在に1度気づくと、子供たちの「アンパンマン!」と叫ぶ声がやたら耳に入ってくるようになった。

親に何度も連れられて、そこにアンパンマンがいることを既に知っている子供たちがほとんどなのかもしれないが、中には初めてアンパンマンを見つけた子供もいるだろう。

目敏く、アンパンマンを見つける小さな子供たちの視界の広さに唸ってしまう。
それに引き換え、自分の視界の狭さといったら、、、(>_<)

今日の夕方もそのスーパーへ行った。

「ママ!見て!アンパンマン!」

今では、子供たちのその声を聞くとほっこりした気持ちになる。

「アンパンマン!アンパンマン!」
「アンパンマン、抱っこ!!アンパンマン抱っこ!!」

今日のお子ちゃまはすごいな、と苦笑つつ、アンパンマンは永遠のヒーローだなぁと思ったのだった。

アンパンマンは、偉大だ。


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