僕はどちらかというと頻繁に自分の指の爪を切るほうだと思うのですが、皆さんは爪を切ろうと思うきっかけなどはありますか?
動物園的な話をすると、人間だけではなく、時には動物にも爪切りが必要なのです。
飼育下の場合は野生の状態とは違い行動できる範囲が限られてしまう場合があるというのが大きな理由かと思います。
モルモットからゾウまで、定期的に爪を切る(削る)動物はたくさんいます。
毛のある動物についてのエピソードはそれぞれの担当にお任せするとして、僕は爬虫類の飼育担当ですので、爬虫類の爪切りについてお話しましょう。
沖縄こどもの国では約50種の爬虫類を飼育していますが、定期的に爪切りを行うのは主にイグアナやオオトカゲなど、比較的大型のトカゲの仲間です。
鋭い鉤爪というのは見た目には格好いいものですが、伸びすぎてしまうと隙間に挟んでしまうなど怪我の原因になってしまうことがあります。
爪切りに使用する道具は、あくまでも個人的な意見ですが、小動物用のギロチン式の爪切りよりもホームセンターの工具コーナーなどで売られているニッパーの方が使い勝手が良いです。
手に馴染みやすいものを選んで使用しています。
もちろん、切り方にはそれぞれコツがあります。
イグアナの飼育場は広いため、展示場に入り個体の機嫌など様子をみながら切ることができます。
餌に執着する個体(季節にもよる)の場合、こちら側に注意をひきつけ、金網の目から出ている部分を切ることもあります。
これが一番安全な方法ですが、なかなか思うように切れないという欠点もあります。
オオトカゲなどは、やや力業ですが、保定をして爪切りをすることがあります。
動物の保定にはある程度の技術が必要で、保定される方の負担も頭に入れなければいけません。
力の強いオオトカゲなどは、保定に一人、爪切りに一人必要となります。こういった作業は頻繁にあるわけではないのですが、やるとなったらそれなりの手間を要することになります。
動物の展示場のセッティング(床材や構造物の設置など)というのは、見た目や動物の過ごしやすさだけではなく、日常的な健康管理も考えて行うことが重要だということが分かりますね。
※このブログは、2022年2月に沖縄こどもの国ゆんたくコミュニティにて掲載されたものを再掲しています。