琉球おもろ流40周年記念花展雑感

先日、開催された琉球おもろ流華道会(吉田紫峯家元)創立40周年「続 地・水・火・風・空」記念花展は、多くの華道愛好家が訪れ、盛会のうちに幕を閉じた。

家元との出会いは、1984年県費留学生で琉球大に留学した時で、家元が81年に琉球おもろ流創設して3年経つ頃だった。当時、家元は外国人留学生や研修生らにボランティアで生け花を教授していた。その恩恵を受け、家元の教室に一年弱在籍した。

留学を終えて帰国後、台沖双方の交流窓口である中琉文化経済協会(台北市所在)に勤めた。87年より、家元は中華花芸文教基金会と生け花交流をスタートした。仕事を通じて、家元との絆が深まった。沖台双方の生け花交流は、2015年に基金会の黄永川理事長がご逝去するまで続いた。

99年、私は沖縄に移住した。華道会の幾つかの花展を鑑賞する機会に恵まれた。一番印象に残ったのは、2016年に那覇市ぶんかテンブス館にて開催された創立35周年記念チャリティー花展だ。家元の花への嗜みは、単なる個人的な趣味としてではなく、広くは社会や世界平和へ貢献するという志を感じられたのであった。

家元が日本華道会の流派を越え、沖縄独自の華道会を創設し、40周年を迎えるまで、筆舌に尽くし難い苦難の道のりがあったと思う。地道な努力と活動を続けてきたからこそ、コロナ禍でも無事に40周年を迎えることが出来たと感心した。(辺野喜 陳 宝来)

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