温木知新
論語に「温故知新」の言葉がある。前に学んだことや昔の事柄をもう一度調べたり考えたりして、新たな道理や知識を見出し、自分のものにすることの意味である。
先日、琉球おもろ流華道会創立40周年記念花展を見学した。生け花については素人だが、流派があることは知っている。俳句を10年余嗜んでいる。俳句の季語の中で、沖縄と本土ではずれがあるものがある。或いはしっくりしない季語がある。それと同じように、生け花の花材にも沖縄独自の草木や草花があると感じた。
吉田紫峯家元は1965年に那覇で教室を開設。72年ごろから生け花の古文献や花伝書などの史料を研鑽し、華道に関するさまざまな疑問を持つようになった。81年に沖縄の歴史・文化・風土・生活に立脚した、沖縄独自の初の流派おもろ流を創設。まさに「温木知新」と言えるのだ。(辺野喜 陳 宝来)