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そうだ那覇市歴史博物館行こう

あまり知られていない気がするのですが、那覇国際通りにほど近いデパート、パレットくもじの4階には那覇市歴史博物館があります。

那覇の華やかな観光イメージとは全く違い、行くたびに閑散としていて時代に取り残された感がたまりません。受付のお姉さんが気だるそうにスマホをいじっているのも雰囲気を助長するのに役立っています。(何なら話しかけんなオーラ出てた)
この日も夏休みのお盆シーズンだというのに私のほかにはおじさまが2人訪れただけでした。(そして私より先に帰った)

そんな寂れた雰囲気を醸し出す博物館ですが、実は国宝も所蔵しているすごい博物館なのです。マンガ風に例えると、沖縄県立博物館がきらびやかな主人公キャラだとしたら那覇市歴史博物館は高性能じいちゃんキャラ(※老人とは思えないほどの能力を備えたジジイ)みたいに、秘めたる能力を持っている…!そんな博物館なのです。カッコいい。


フロアは3つ

特別展示室・常設展示室・企画展示室と3つのフロアがあり、1年の展示スケジュールが決まっています。内容は公式ホームページで要チェケ。

このとき特別展示室には流水文様の紅型衣裳(国宝)が展示されていました。
博物館のホームページにはわかりやすく「流水文様の紅型衣裳」と書いてありましたが、正式には「黄色地流水蛇籠鶴菖蒲文様紅型木綿衣裳(きいろじりゅうすいじゃかごつるしょうぶもんようびんがたもめんいしょう)」という呪文のような名称の紅型。ノンブレスで言えたらすごい。

撮影が禁止されているもの以外は撮影OKなのも嬉しい。
黒漆鍾馗文螺鈿軸盆(くろうるししょうきもんらでんじくぼん)。鍾馗というのは中国の神様で、厄除けによく使われるモチーフだそう。不動明王みたいなものでしょうか。

企画展示室では「小禄合併70周年 ウルク今昔」が開催中。当時アメリカ統治下だった沖縄は「琉球政府」という機関が市町村合併を推進していて、既にあった那覇市に、首里市と小禄市が加わった経緯を説明しています。
たくさんの小さな村が加わって今の那覇市を作ったんだなぁということが分かる貴重な展示でした。

貴重な資料も閲覧できる

事前予約が必須ですが、所蔵している歴史的な資料も閲覧可能だそう。

私のあとに入ってきたおじさまが「(博物館を)閲覧できますか?」と聞いていて、受付のお姉さんは資料のことだと思ったらしく「(資料は)事前に予約しないと閲覧できません」と会話が噛み合ってなくてハラハラしました。どっちも主語が抜けてるぅ。

といった間違いもあるかもしれないので、博物館か資料閲覧なのかはきちんと伝えましょう。ちなみにおじさまは無事入館できました。

国宝が見られたらラッキー

那覇歴史博物館の目玉はなんといっても琉球国王の王冠。
「皮弁冠(ひべんかん)」、「タマンチャーブイ」とも呼ばれ、国宝にも指定されています。王冠は過去に2、3個あったそうなのですが、沖縄戦の混乱で消失してしまい、現存しているのは那覇市歴史博物館が所蔵する一点のみ。
そのほかの貴重な所蔵品も含めて「駅から5分の国宝」というキャッチフレーズで展示されています。

ただし、本物が見られるのはほんの数日。というのも、文化庁からの国宝取り扱い要項で、劣化の危険性が高い国宝の年間公開日数は30日以内と決まっているそうなのです。このことから那覇市歴史博物館では王冠の公開を春と秋にだいたい15日ずつ、2回に分けて展示しています。

詳しい公開日はホームページで確認することができますが、王冠のためだけに沖縄旅行の予定を組む人はわずかだと思うので、旅行の際にたまたま本物の公開日とかぶっていたらラッキーだと思います。

レプリカはいつでも見られます
以前は規定の日数しか王冠を見るこができなかったのですが、現在は再現度の高いレプリカが製作されていて、そちらをいつでも見ることができます。

【本物】黒の縮緬(ちりめん)に金糸の帯。装飾には金・銀・珊瑚・水晶・瑪瑙などの玉がとめられています。
【レプリカ】本物と比べて紐の部分の色褪せ方が違います。再現度はだいぶ高め。
【ちなみに】焼失前の首里城にあったレプリカ。黒部分のつるんとした合皮感がすごい。



みんなで行こう那覇市歴史博物館

入館料は一般350円、大学生以下はなんと無料。(20名以上団体割あり)

地元民にも広めたくて、周りに那覇市歴史博物館を進めるも反応はイマイチ。「首里城や県立博物館には遊びに行くくせになぜ…。」と首を傾げています。県民の皆さまも行ってみて欲しい。じっくり見れば1つくらいはトリビア見つかるから!

県立博物館もアクセスしやすく行きやすいですが、お買い物ついでに立ち寄れて、ゆったりベンチもある那覇市歴史博物館もオススメです。

昭和初期のメインストリート「大門前(ウフジョーメー)通り」模型。
3週したけどどこがどこだか分からなかった。

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