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しあわせ白書人生を豊かにする39のセオリー#読書感想文

長くて辛い坂道を歩いていたときのことです。すっかり疲れ果てて足を止めると、道ばたにひっそりと咲いている花に気がつきました。

普段は見向きもしない小さな花が、懸命に咲いている姿を見て、わたしは心打たれました。不思議と元気が出て、また頑張ろうという気になりました。

人の心を癒してくれる花の力を感じました。

♢♢♢

noteをきっかけに、お知り合いになった作家さんがいらっしゃいます。
作家の高見純代(たかみすみよ)さんです。

「先生」と呼んだほうがいいのか迷いましたが、先生だと距離ができる気がして、ちょっぴり寂しいので、親しみをこめて「さん」と呼ばせていただきます。

周りの人に怒られるかしら……?

尊敬する気持ちは変わらないので、著書を購入して読ませていただきました。この記事では本の感想文を書きます。

♢♢♢

高見さんはnoteを始めてまだそれほど時間が経っていないのですが、記事を投稿するたびに300以上のスキが集まります。

すごい……!

まるで、ひとつひとつの記事に満開の花を咲かせているような印象を受けました。

高見さんは華道家でもあり、嵯峨御流の正教授をされているそうです。プロフィールの写真を拝見しても、とっても華やかで素敵だなと思いました。

そんな高見さんはnoteを始めて間もないころに、誹謗中傷を受けてコメント欄が炎上したことを告白されています。

まったく知らない人から、いわれのない悪意を向けられるのは、どんなに恐ろしかったことでしょう……。noteを退会して、しばらく人間不信に陥ってしまったそうです。

でも高見さんは、noteを再開する決心をされました。世界に向かって「愛」を贈るために……。

高見さんはとても優しい方です。コメントに丁寧な返事を書いてくださったり、フォローしている方の記事を紹介してくださったりしています。

まるで、noteの中を駆けまわりながら、いろいろな場所で「愛の華」を咲かせているように感じました。

♢♢♢

でも、わたしには高見さんがおっしゃる「愛」の意味がよく分かりませんでした。辛い目にあったのに、なぜそんなことができるのだろう?

今回、著書を読ませていただいて、ようやく理解できた気がします。

『しあわせ白書 人生を豊かにする39のセオリー』を読んだとき、わたしは驚きました。

てっきり、生け花を習う方々は、何一つ不自由のない暮らしを送っていたのだろうと、勝手に思い込んでいたからです。先入観をいだいてしまい大変申し訳ありませんでした。

高見さんは幼いころから喘息の持病があり、肺炎をこじらせて生死をさまよったそうです。その後も片耳が難聴になってしまったり、足の病気をわずらったり、病に苦しむ生活を送ったことが書かれていました。

仕事でも苦労して、病弱だったことや人間関係のストレスもあり、うつ病や癌を発症したそうです。

そんなとき、高見さんの心の支えになったのが華道でした。華道という「道」を追求することは生きる希望となり、病を経験したことは「愛」を考えるきっかけになったそうです。

『追憶の光』の主人公は優子という女性です。

優子は華道をしています。わたしは華道は全く知らなかったので、興味深く読ませていただきました。

優子と入江が会話する場面が心に残りました。

「この間、旧暦の重陽の節句なので、菊の花を生けました」
「重陽の節句って、九月九日の事ですか?」
「そうです。よくご存じですね。奇数は陽数で、九は一番多い陽数なので、九月九日は、陽数が多く重なって、おめでたい日なんです。でも、満つれば欠ける世の習いって言うみたいに、縁起が悪い事にならないよう、菊を生けて邪気払いをするんです(後略)」
高見純代. 追憶の光. 幻冬舎, 2020.

以前読んだ、折口信夫さんの解説本で、「花」に関する考察を思い出しました。

農耕というものは、収穫できるまで、さまざまな努力の積み重ねが必要となります。収穫間際になって、台風にやられてしまうということだってある。花が咲かなければ、実は成りません。したがって、花が見事に咲くということがよい前兆、先触れになる、ということになるわけです。
上野誠. 折口信夫「まれびと」の発見 おもてなしの日本文化はどこから来たのか? 幻冬舎, 2022.

花が咲くということは、収穫が成功するかどうかに関わる切実な問題だったそうです。日本人の花に対する思いの強さを感じました。

優子は美しくて世間知らずだけど、清らかで純粋な女性として描かれていました。優子の姿は、神仏に奉納する花と重なりました。

優子が父の死を知ったとき、はげしい息づかいと悲鳴が本から聞こえてきました。ショックをうけた優子は精神科に通うことになります。

二人の男性と出会い愛されることで、優子の悲しみは徐々に癒されていきます。でも、男女関係にありがちな、すれちがいや負の感情も生まれました。

それから起きてしまった悲劇とは……?
愛には自己犠牲を伴うというメッセージを感じました。

『愛 It begins quietly as intense love.』ではプラトニック・ラブについて書かれていました。肉体関係をもたない精神的な恋愛のことです。

肉体関係をもつことを否定するというわけではなく、相手のことを思いやるがゆえの選択でした。

恋愛感情を抱いたけど相手の気持ちを理解できない……。

そんなときに参考になるサイトを、以前koedananafusiさんの記事で教えてもらいました。

登録して質問に答えることで、自分自身の心の性別や恋愛指向について知ることができます。

恋愛や性的指向は、人によって考え方が全く異なることを知り驚きました。

よければ参考にしてみてください。

ちなみに、わたしの恋愛指向はリスロマンティックというそうです。
好きになるけど、好きになられることは恐かったり、必要なかったり……とのこと。

そのほかにも、アロマンティック、デミロマンティック、ポリアモリー、ガイネ/アンドロセクシュアル、クォイロマンティックなど……。いろいろなタイプの考え方があるそうです。勉強になります。

人が人を愛する方法とか考え方は、人によって全く違うのかもしれないと思いました。だから、勘違いして、すれ違いも生まれてしまうのかもしれない。

相手のことを思いやって、話し合いを重ねれば、お互いに理解できるのかなと思いました。

高見純代さんの著書おすすめです😊。

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