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ホテルにおける3Ps

ホテルというか、ホスピタリティー産業で言う3つのPとは?この話はかなりクラッシックな話ですが、一番初めに目にしたのは約25年前ロンドンでホスピタリティーマネジメントを勉強していた時。テキストブックに書いてあったことが思い出される。と言う事は、非常に古い話なんですが、実は結構重要な考え方。その3つのPとは:
①People
②Products
③Profit

ホスピタリティーマネジメントではこの3つが重要であると言われてます。まずPeopleとは、読んで字のごとくのこと。ホテルは接客業であり、人と人が接する仕事です。だからそもそも質の高い人材が必要と言うこと。そして企業としても、いい人を採用し、育て、評価する(モチベーションを上げる)と言う、人事の考え方におけるこの3本の家が非常に重要であると言うこと。
そして2番目のプロダクツ。これは商品と言う意味で、ホテルに置き換えると、サービスや提供する商品のこと。ハード面で言えば、建物のデザインやソファーの質感、質の良いベッドカバーや、清潔でおしゃれなバスタブだったりする。また、飲食店で言えば提供する食べ物や飲み物、使うお皿やカトラリー、BGMや照明などレストランに関わる全てのハード面になる。ソフト面は何かと言うと、やはり1番重要なのはサービス。サービスを構成する要素としてもいろいろある。タイムリーなサービスや、お客様が口にしないニーズの先読み、プラスワンのサービスやスタッフの笑顔、声のトーン、雰囲気なども含まれる。
最後のプロフィットは、利益=お金、と言うことである。正しくわれわれはボランティアではなく、プロフェッショナルなお金を稼ぐと言う仕事である。お客様が気持ちよくお金を払っていただけるような、サービスや商品を提供し、利益を出しビジネスを持続可能なものとする。もしくは、単に継続するだけではなく、ビジネスをさらに大きなものにしていく。持続可能な経済成長に貢献する。これが可能となれば、地域社会はホテルからより多くの雇用を生み出し、税金が落ち、住民たちはより充実した福祉が得られる。さらに住みやすい街になるわけだ。ここまでくると、何のためにお金を稼ぐのか?と言うまた別の話になるわけだが、そこまで今回は深掘りしないでおこう。重要な事は、ホテルで働くと言う事は、プロスポーツ選手と同じく、お金を稼ぐと言うことである。

内訳はそんな感じだが、ここにはちょっとした重要なヒントがあるんだ。それはこの数字の順番です。ホスピタリティー産業でマネジメントとして成功するためには、この優先順番をしっかり理解する必要がある。卵が先か鶏が先かと言う議論もあるが、あくまでもここでは理想論の話をする。となると、皆さんお気づきだと思いますが、この数字の順番通りの優先順番が理想とされます。
一番重要なのが人。そして2番目に重要なのが商品。そして最後にお金である。いい人を雇い育て、従業員が生き生きと仕事をしていれば、その人たちは良いサービスや商品を提供できるようになります。そうするとお客様は喜んでお金を払ってくれます。そうしたらおのずと利益が出ると言うロジックです。現実にはなかなか難しい話ですが、組織のリーダーとしてディシジョンメイク(判断)に迷ったとき、このロジックを思い出すと意外と正しい決断が出来ます。まぁ、でもこれは初心に戻るという事。日々の忙しさに紛れて、大事なことを忘れてしまいがちですが、このホスピタリティー産業における3つのピーを思い出せば、すぐに初心に帰れます。

ホテルマンとして経験を積み、10年近くしたときにザ ペニンシュラ 東京と言うホテルの開業に携わりました。この時の副総支配人であるジョセフも全く同じことを言ってた。そして自分が学生の時にテキストブックに書いてあったことを思い出し、まさしくそうだなと。彼は非常にemotionalな人で、ときには感情が爆発する時もあったがとても優しい人だった。そして彼の言葉には非常に説得力があった。

外資系だが日経のホテルと似た様な歴史のあるザ•ペニンシュラホテルはスタッフのロイヤルティーが非常に高い。

ちなみに私は、自分の事をホテルマンと都合をよく言っているが、あまりホテルで働くと言うことに対してこだわりは無い。すでにこの業界に何年もいるが、どちらかと言うとホテルマンと言うよりは、飲食人であると言う自負がある。ホテルだろうが、飲食だろうが、ホスピタリティーはホスピタリティーである。扱う商品が違うだけ。じゃあ何故ホテルで働いているのか?それはチームが大きいから。組織が大きくなればなるほどマネジメント力が問われる。そこにはダイナミクスがあるのだ。そんな私が書いている文章であると言うことを、忘れずに参考にしてください。

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