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支援事例「副業・兼業者を雇う際の注意点」

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令和 2 年 5 月 17 日 沖縄タイムス 経済面掲載

まず就業時間の把握を

 ◆ 企業名 J社
 ◆ 業 種 語学学校
 ◆ 所在地 那覇市
 ◆ 資本金 非公表
 ◆ 創 業 2020年4月
 ◆ 従業員 非公表

【相談】
 別の語学学校で働いている教師を雇用する予定。副業・兼業となる労働者を雇用する場合、労働保険や社会保険、必要な手続きや注意点を教えてほしい。

【回答】
 相談者は語学学校開設にあたって知り合いの語学教師を雇用する予定だが、その教師は別の学校で働いているという。空いている時間で相談者の語学学校で働いてほしいと考えており、当拠点は厚生労働省が示す副業・兼業の促進に関するガイドラインを踏まえて次のとおりアドバイスした。
 まず、就業時間の把握である。労基法は「労働時間は、事業場を異にする場合においても労働時間に関する規定の適用については通算する」としている。副業・兼業の場合、後に契約した事業主に時間外割増賃金の支払い義務がある。つまり、別の語学学校と相談者の語学学校での労働時間を通算し、法定労働時間を超えた場合、相談者が時間外割増賃金を支払うことになる。
 次に労働保険。労災が発生した就業先の賃金分のみに基づき補償給付が算定される。雇用保険は、同時に複数の事業主に雇用されている者が、それぞれの雇用関係において被保険者要件を満たす場合、主たる賃金を受ける雇用関係についてのみ被保険者となる。
 3つ目は社会保険である。社会保険の適用要件は事業所ごとに判断されるが、いずれの事業所でも要件を満たさない場合、労働時間などを合算して要件を満たしたとしても適用されない。一方、複数の事業所で就労する労働者が、それぞれの事業所で被保険者要件を満たす場合、いずれかの事業所の管轄年金事務所などで各事業所の報酬月額を合算、標準報酬月額を算定して保険料を決定する。各事業主は、報酬額により案分した保険料を年金事務所に納付することとなる。
 相談者は創業時から副業・兼業となる労働者に配慮した労働条件を整備した。職場環境を整備したことで副業・兼業する労働者でも安心して働くことが可能となり、事業所としても優秀な人材を確保することができた。
(県よろず支援拠点コーディネーター・社会保険労務士平田勇次

詳しくはコチラ >> https://yorozu.ti-da.net/e11550729.html

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