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支援事例「夜光貝作品で大賞 事業どう展開」

令和 5 年 1 月 15 日 沖縄タイムス経済面掲載

受賞の誇り持ち継続を

 ■ 企業名 沖縄夜光貝ジュエリー・シェリーナ
 ■ 業 種 夜光貝加工製造業
 ■ 所在地 うるま市
 ■ 資本金 個人事業
 ■ 創 業 2015年
 ■ 従業員 非公表

【相談内容】
 7年間、沖縄の夜光貝と向き合い、ジュエリーを製作してきて、2年前に貝盃へ行き着いた。初めて応募した伊丹国際クラフト展での大賞受賞は光栄だが、今後の事業展開をどう進めるか悩んでいる。

【回答】
 シェリーナ代表の當眞清乃さんは沖縄の海に生息する夜光貝に魅了され、2015年から貝の美しさを磨き上げるジュエリー工芸の仕事を始めた。20年に夜光貝で造られた天明3年(1783年)作の貝盃に出会い、素材の特徴と美しさを最大限に引き出す貝盃士の道を歩みだした。
 試行錯誤を経て創り上げた作品「清琉貝盃」を初めて国際展に出品し、海外を含む1152点の応募の中から見事、頂点の大賞に輝いた。審査員を務める全国の美大や芸大の教授たちの講評も驚きと感動に満ちている。「素材の面白さ、技術の確かさと丁寧さ、存在の美しさを感じた」などと當眞さんの創作を絶賛している。
 よろず支援拠点は創業の頃から當眞さんの事業を支援してきた。さまざまな経営課題を抱えながらも、地道に努力して乗り越えてきた。夜光貝の美しさと向き合い続ける當眞さんは、古の時代に思いをはせながら大賞受賞後も貝を研磨し続けている。
 琉球王国には貝摺奉行が置かれ、漆器の螺鈿(らでん)素材を管理していた。夜光貝は貴重な交易品として日本や中国など海外へも渡り各地の工芸を彩ってきた。平安時代の清少納言の随筆「枕草子」にも夜光貝の貝盃が登場する。また當眞さんの故郷である、うるま市の宇堅貝塚からは約2千年前の貝盃が出土している。

『清琉貝盃』を紹介する當眞清乃さん

 沖縄の夜光貝の歴史を後世に紡ぎたいという當眞さんは、夜光貝を育んできた沖縄の海や自然を守りたいとの思いから、水産をなりわいとする漁業関係にも関わり続けている。
 今後の活動をどう展開していくかとの相談に対して、貝盃士としての自らの役割を自覚している當眞さんが、自負と誇りをもって事業を継続していくことを、よろず支援拠点として応援していくだけである。問い合わせはシェリーナ、電話090(3795)8766。(県よろず支援拠点チーフコーディネーター・上地哲)

 ※掲載内容は相談者の承諾を得て紹介しています。経営者のあらゆる相談を無料で受け付けます。ご相談は、電話098(851)8460のよろず支援拠点、またはお近くの商工会へお問い合わせください。

詳しくはコチラ >> https://yorozu.ti-da.net/e12423942.html

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