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支援事例「首里城消失で販路開拓したい」

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令和 3 年 11 月 7 日 沖縄タイムス経済面掲載

包装刷新 スマホも活用

◆ 企業名 新垣カミ菓子店
◆ 業 種 菓子製造業
◆ 所在地 那覇市首里赤平町1‐3‐2
◆ 資本金 100万円
◆ 創 業 2007年
◆ 従業員 8人

【相談】
 2年前の首里城焼失で売り場を失った。さらに主力商品の「手作りちんすこう」も販路に合わせた商品を企画したが、コロナ禍で発売のめどが立たない。

【回答】
 法人化して14年の新垣カミ菓子店だが、創業は古い。琉球王府の包丁役(料理方)であった新垣親雲上淑規が、日本や中国などの菓子製法の技術を取り入れ、琉球独特の菓子を作り上げた歴史を持つ老舗である。
 今も古来の製法を変えず、手作りで製造しており、それが認められて首里城鎖之間に毎日250セットを納めていた。それが首里城焼失とともになくなったとして、火災直後に首里公民館であった相談会に来場した。
 最初は、当時の商品のまま新たな販路を提案し、首里城公園と同じく美ら海水族館の管理権も持つ美ら島財団へセールスを行った。既存のオンラインショップをも改良し、老舗としてのストーリーを加筆。スマートフォンにも対応できるようにした結果、売り上げは相談時と比べて150%を超えた。
 相談者は美ら海水族館向けの新商品開発にも意欲を見せた。水族館の多種の魚が写った画像にQRコードを入れ、スマートフォンで数十種類の魚の解説が見られるパッケージデザインも開発した。企画デザインに対し、美ら海水族館側の評価は高かったが、新型コロナウイルス感染拡大で売り場が閉まり、発売のめどが立たなかった。

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 首里城焼失に加え、コロナ禍のダメージはあまりに大きかったが、相談者の意欲は衰えなかった。県物産公社へのセールスも行い、沖縄に行けない観光客が県外のわしたショップへ流れている情報もキャッチ。水族館を疑似体験できるこの商品は話題性があり、売り場にもメリットがある。
 緊急事態宣言も解除となり観光市場も動き始めた。今月中に美ら海水族館と国際通りのわしたショップ2階の「うみちゅらら」の売り場に並ぶことが決まっている。ニュースリリースも全国に向けて発信する予定である。問い合わせは新垣カミ菓子店、電話098‐886‐3081。
(県よろず支援拠点コーディネーター・嘉数純)

※掲載内容は相談者の承諾を得て紹介しています。経営者のあらゆる相談を無料で受け付けます。ご相談は、電話098(851)8460のよろず支援拠点、またはお近くの商工会へお問い合わせください。

詳しくはコチラ >> https://yorozu.ti-da.net/e12079459.html

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