「新規の予約が入らない」 首里城周辺の事業者 火災後の窮状訴え、打開策探る

 首里城火災により売り上げが低迷した事業者を対象とした相談会(主催・那覇商工会議所)が9日、那覇市の首里公民館で始まった。首里城周辺の飲食店や城内に商品を卸していた食品メーカー、観光客の利用を見込んで駐車場を経営する個人事業主らが経営指導の専門家に窮状を訴えた。

 ライトアップされた首里城の夜景を正面から望むことができる立地にあるレストランは予約数の減少で、11月の売り上げが前年同月比の半分に落ち込んだ。経営者の女性は「新規予約が入らない。大変な状況」と頭を抱える。専門家から常連客にダイレクトメールを送るようアドバイスを受け、実行に移す考えだ。

 首里城内の文化体験で使われる琉球菓子を納めていた菓子メーカーは販売先の開拓に苦悩する。「花ぼうる」や「くんぺん」「ちいるんこう」といった琉球菓子を知らなかった観光客が首里城で食べて、後に城内の土産品店で購入する流れがあったが、火災により機会がなくなったという。経営者の男性は「どこに販路をつくればいいのか分からないが前を向くしかない」と話した。

 首里城近くで有料駐車場を経営する個人事業主の男性は利用が4分の1にまで落ち込んだ。年金暮らしのため、生活の支えを事業収入に頼っている。シルバー人材センターに足を運んだが「800人以上が登録していて、仕事がいつくるかも不明。このままでは死活問題だ」と話した。専門家からはフェイスブックを通じてアピールする提案を受けた。

 相談会は11日まで。時間は午前9時半~午後4時半。問い合わせは那覇商議所、電話098(868)3758。

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