見出し画像

支援事例「電子帳簿保存 どう対応」

令和 5 年 12 月 17 日 沖縄タイムス経済面掲載

猶予措置あり 段階的に

 ◆ 企業名 R社
 ◆ 業 種 不動産賃貸業
 ◆ 所在地 非公表
 ◆ 資本金 非公表
 ◆ 創 業 非公表
 ◆ 従業員 非公表

【相談】
 電子帳簿保存義務化への対応が間に合いそうにない。そもそもどこから手をつけたらよいかわからない。

【回答】
 不動産賃貸業を営む相談者から、電子帳簿保存法とはどのようなものなのか、どういった対応をしていけばいいのか、相談を受けた。
 多くの会社は税法上の証拠書類として、領収書や請求書を紙で保存している。電子帳簿保存法はこういった帳簿書類などを電子データで保存する際の要件などを定めた法律である。(1)電子帳簿保存(2)スキャナー保存(3)電子取引保存―三つの区分があり、2024年1月から義務化となるのは(3)で、(1)と(2)の保存法は任意対応となっている。
 どういったものが電子取引に該当するのか。請求書や領収書等データ(PDFなど)を電子メールやダウンロードにより受領するような場合がこれにあたる。身近でいえば、ネットショップでの商品購入、電子マネーによる決済などがある。これら電子取引の領収書等を印刷することなく電子取引データのまま保存しなければならない。ただし、この電子取引データ保存について、2023年度税制改正においてあらたな猶予措置が設けられ、条件が緩和されている。
 相談企業には、すべての書類を電子保存しなければならないということではなく、来月から義務化となる電子取引の保存についても中小企業へ配慮としての猶予措置があるので必要以上に焦る必要はないということをアドバイスした。
 一方で電子帳簿保存法への対応は事務作業省力化、ペーパーレス化につながり、むしろ前向きに対応していくべき事項であることも説明した。相談者は「前向きにできる事から取り組んでいけそうだ」とプレッシャーから解放された様子であった。
 電子帳簿保存法には早い段階から取り組む企業も多く、これらの企業の経理業務の効率化や見える化が進んでおり経営改善につながっているという事実もある。電子帳簿保存法への対応は企業規模や組織体制に合わせ行うこと、そして無理なくできるところから始めて段階的に対応していくことが重要である。
(県よろず支援拠点コーディネーター・税理士 遠山康英)

 ※掲載内容は相談者の承諾を得て紹介しています。経営者のあらゆる相談を無料で受け付けます。
問い合わせや相談は同支援拠点、またはお近くの商工会へお問い合わせください
電話098(851)8460。

詳しくはコチラ >> https://yorozu.ti-da.net/e12644204.html


いいなと思ったら応援しよう!