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支援事例「資金繰り悪化 生き残るための策は」

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令和 2 年 6 月 7 日 沖縄タイムス 経済面掲載

助成活用 手元資金守る

 ◆ 企業名 居酒屋P社
 ◆ 業 種 飲食業
 ◆ 所在地 浦添市
 ◆ 資本金 100万円
 ◆ 創 業 2019年
 ◆ 従業員 10人


【相談】
 新型コロナウイルス感染拡大に伴う休業要請期間中の休業で売り上げが急減し、資金繰りが悪化した。今後、営業を再開したとしても見通しが立たない。生き残るためにどのような対策を取れば良いか。


【回答】
 新型コロナウイルス感染症が広範囲におよぶ中、生き残りをかけて
 ①今を生き延びるための資金繰りを含めた対策
 ②新型コロナウイルス感染症をまん延させないための防疫
 ③感染症が一定期間続くことを前提にしたビジネスモデルの変革
 ―に取り組まねばならない。今回は特に厳しいと言われる飲食業界の事例を紹介したい。
 クラウド型モバイルPOSレジを提供しているホスタス社によると、飲食店の昨年度対比で、2月は客数が95.0%、売り上げは97.9%とほぼ影響はなかった。3月では客数で68.9%、売り上げでは67.7%と3割以上減少している。さらに4月は客数が40.3%、売り上げは36.5%と6割以上の減少となっている。中でも、客単価が千円未満が昨対比で55.3%なのに対し、3千円台では32.6%と減少幅が大きい。
 観光客を主客とする沖縄の飲食店は9割減の店も少なくない。今回の相談者も4月の売り上げは89%減であった。①の資金繰りでは「新型コロナウイルス特別貸付」を活用して運転資金を確保しつつ、国の持続化給付金と県の緊急支援金を申請した。休業要請で休業したため雇用調整助成金も社会保険労務士を介して申請している。手元資金の減少に備えるためである。
 ②の防疫対策では、全てのテーブルにアルコール消毒液を完備。空気清浄機を導入し店内清掃・消毒も徹底した。③のビジネスモデルの変革では、テークアウトを実施と免疫力向上メニューを開発した。沖縄では免疫力向上に有益とされる素材に事欠かない。
 これらの活動の結果、5月後半における売り上げは休業直前の倍近くに回復してきている。新型コロナ自体は収束するかもしれないが、社会のマインドは元には戻らないかもしれない。次の社会をどのような形で作り上げていくか。まさに新たなビジネスモデルの創出が望まれている。
(県よろず支援拠点コーディネーター・鈴木和久

※掲載内容は相談者の承諾を得て紹介しています。経営者のあらゆる相談を無料で受け付けます。問い合わせや相談は同支援拠点、電話098(851)8460。または地元の商工会にお問い合わせください。

詳しくは >> https://yorozu.ti-da.net/e11573163.html

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