支援事例「工事が減少 経営改善進めたい」
アプリ活用 業務効率化
■ 企業名 A社
■ 業 種 建設業
■ 所在地 非公表
■ 資本金 2千万円
■ 創 業 1992年
■ 従業員 12人
【相談内容】
創業以来、住宅建築工事とともにリフォーム工事も受注、着実に業績を伸ばしてきた。ピーク時は4億円の売り上げを確保していたが、その後減少傾向にある。コロナ禍の影響で経営環境が厳しい中、経営改善を進めたい。
【回答】
社長からのヒアリングと直近3期の決算書を確認して会社の現状と課題を把握。社長は現場経験が豊富な職人気質で堅実な人柄ではあるが、丼勘定的な経営の感は否めない。社長の思う短期的な目標はあるが、中長期的な経営計画は策定していないため、経営環境の変化に対応する体制が整ってない。
そこで1. 経営戦略、2. 業務管理、3. 財務管理の3面から課題を抽出、経営改善計画の作成サポートを行った。確認した現状と課題は、1. 経営戦略面では景気低迷等で着工戸数が減少し売り上げ減少が止まらない。2. 業務管理面では一部社員に業務量が偏り他の社員の水準がふぞろいで工事進展状況が把握できない。3. 財務管理の面では現場別の工事原価集計はしているが粗利益確保の体制が整ってない。
課題に対しアクションプランを立て実行に移した。優先したのが工事受注の確保。住宅建築の大幅な伸びは期待できないが、リフォーム事業は有望な市場。売上高は低いが利益率は高く収益改善を図れる。
業務管理面で、現場管理アプリを活用して工事進捗(しんちょく)状況を記録、工事進捗の見える化と社内でのリアルタイムの情報共有を可能にした。工期短縮で現場ごとの利益率が向上し、工種間の調整や次工程の計画、取引先への連絡や翌日の材料手配等、管理業務の効率化で働き方改革もできた。
財務管理の改善策としては実行予算を作成。月次で原価確認と工事決算予測を行い、対策を取って実行予算に近い原価での完成をめざした。その結果、工事完了後の反省を積み重ねることで見積もり精度が向上し、粗利益の確保につながった。
いまだ経営改善の途上であるが、今後も相談者に寄り添い課題解決に向けた支援を行っていきたい。
(県よろず支援拠点コーディネーター・税理士・平良豊)
※掲載内容は相談者の承諾を得て紹介しています。経営者のあらゆる相談を無料で受け付けます。ご相談は、電話098(851)8460のよろず支援拠点、またはお近くの商工会へお問い合わせください。
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