【入門】辞書を使いこなす【準備編】






「みかんがないなら

 柑橘類を出してください!!!!!」

 。


  。


   。


    。






みかん食べたいねぇ。。。もういよかんでもぽんかんでも日向夏でもはっさくでもなんでもいいんだよ、レモンじゃなければ。








そういう気持ち、

わかりますよね、1月だもん






しかたない。






柑橘類がないなら、

KER試験の勉強するか。。。










こっちのほうが楽しいし!








そんなわけで、笑

今日もエスペラント語の勉強がたのしくてしかたないみなさんこんにちは!


みかんの話はこれくらいにして、本題に入りますね。



まず、大事な話なんですが…
KER試験では紙の辞書の持ち込み認められています!

(みかんの持ち込みも認められています。)






「なんだ、それなら簡単じゃん」









...と思った?甘いね、全然甘い!

みかんはもっと甘いけどな!



実はKER試験で持ち込みできる辞書は
unulingva vortaro(単言語辞書)」と決められています。

つまりエスペラント語エスペラント語辞書です。

『エスペラント日本語辞書』みたいなのは使えません!


さーてこまったねぇ、どうしようかこれ。。。


しかしこればっかりはどうしようもないので、
もちこめる辞書の研究をするのが賢明でしょう。

そもそも、辞書が持ち込めるっていうのは、
いろんな単語だすから、覚悟しとけよ」ってことです。
(そこまで脅してはないだろうけど。)


で、本題です。

現時点において、単言語辞書の分野で圧倒的に有名なのは
Plena Ilustrita Vortaro』、通称PIV(発音はピヴ)です。

エスペラント語をそれなりにやってるひとはみんな持ってます。
もってなくても毎日使っています。(詳しくは後述。)

もちろん、これ以外にも検討に値する辞書はあります
でもファーストチョイスはこのPIVで間違いないでしょう。

PIVが選ばれる理由は ①収録数、更新頻度、そして ③信頼 です。

もうすこし具体的にいうとこんな感じ。
①PIVは全1265ページ、結構厚いです。
収録される単語は46890にも上ります。

②2002年に出たPIV(Nova PIVとかNPIVともいう)は
2005年に改訂版が出ていて、
現在2020年に新版の発行が計画されています。
この更新ペースはエスペラント語の単言語辞書では一番優秀です。
ちなみに広辞苑の更新頻度は10年だからPIVも引けを取りませんね。)

(そういえば亡くなったヤマサキセイコーさんは、広辞苑は語源を載せていないからだめだっておっしゃっていましたね。PIVも語源があったら便利でしょう。あ、でも、そしたら単言語辞書じゃなくなっちゃうな。。。)

③国際雑誌では「単語はPIVに収録されたものを選び、それ以外のものを使用するときは説明を加えるように」という投稿規定を設けているところが多いです。なんだかんだ言っても一番信頼されている辞書、一番使われている辞書であることは間違いありません。

そして内容についていろんなひとがいろんなことを言っています。

ちょっと話はそれますが、ときどき権威的な辞書とか文法書とされるものを「絶対的な辞書・文法書」と勘違いしてる中堅エスペランティストがいます。「~にはこう書いてありますからそれは間違いです」みたいな。「~にはこう書いてあるからこっちが正しいですね」みたいな。でもそれってただの「書いてあることの和訳」でしかないんですよね。まぁそれがその人の役割なのかもしれないけど。でも同じことをしていてもそこを自覚できているか否かの違いは大きいです。もし正誤や妥当性の判断を、権威的な文献が言っているからというだけで判断しているとしたら、なるべく早いうちにそういうのはやめたほうがいいです。「~は...ではない」とか「~は...だ」とか書いてあっても、的はずれなこと多いです、ツイッター界隈。

最初はだれがなにをいっているのか、そのことばがどれだけ妥当なのか、わからないですよね。でも言ってる本人も妥当性をよくわかっていないケースもあります。その点、PIVはいろいろな批判を浴びています。だからその意味で、長く付き合うにはいい相手だと言えますね。日本語エスペラント界隈の閉じた議論の冴えなさの向こう側にある、批判でボロボロになっているPIV、というわけです。もしあなたがエスペラント語をやり始めたばかりなら、後者にコミットしたほうがずっといいですよ。あなたの知的レベルと好奇心の方向性にもよりますが、前者には、質的に飽きてしまう可能性が高い。


そんなわけで多くの人に選ばれているこのPIV。

でも、これを入手しようとしても現実には次のような困難があります。

1.まずこれ通常1万円以上します
2.在庫がない可能性、つまり入手不可能な可能性があります
3.購入しても試験日まで届かない可能性があります


まず最初の点「値段」です。世間では洋書は本としてより「雑貨」として出品したほうが売れるという話ですが、たしかに『Plena Ilustrita Vortaro』が飾りで置いてあるカフェがあったら、センスいいですよね。使わなくなったら「雑貨」としてメルカリ出品するという解はすでに提示されているので、値段の問題は解決したものとします。

つぎに「入手不可能」な可能性があるという点について。実は現状、これなんです。笑 というのも現在新しい版が準備されている、いわゆる「入れ替わりの時期」。現行のPIVはいろいろ批判を受けているので、新しいPIVへの期待が高まっています。そんななかで好んでこの時期に現行のPIVを買うひとはKER受験者以外いないとさえ言えます。しかし在庫がね、ないんです。笑 こればっかりはどうしようもありませんね。

それでも運よくどこかのショップで現行のPIVをみつけたとします。それでも国際郵便だとほんとにしばしば「行方不明」になります。わたしは一昨年、現行のPIVをロッテルダムの某書店に5つ注文しました。そのとき空輸してもらうために追加料金さえ払いました。それでも、どういうわけか注文した辞書はオランダからなぜかスペインに行き、そこにしばらく滞在、やっと日本に届きました。届いたのはほんとに試験の直前でした。このケースではまだ入手できたから良いのですが、注文したものが本当に行方不明になることは国際郵便の世界では当たり前で、これを防ぐ手立てはないのだと心得ましょう。そして問い合わせても、だれも何もできないことが多いです。試験のために辞書を買おうと思ったら、そのような可能性を事前によく頭にいれておく必要があります。ただ、日本で買うよりも世界エスペラント協会のサイトなどで購入したほうがかなり安いことがあります。このあたりも余裕のあるときにいろいろ検討してみると面白いのでおすすめです。

そんなわけで試験のためにエスペラント語の辞書を買うというのはいろいろ大変なのです。



でも沖縄で受験するひとは安心してください!


KER試験の沖縄会場には共用の辞書がそなえておきますので、もし試験で使える辞書がいま手元になくても世界エスペラント協会の書籍部門に『PIV』の在庫がなくても2020年上半期に登場すると言われている『新版PIV』が試験に間に合わなくても不安ゼロで会場に来てください

6月20日、沖縄会場では『Plena Ilustrita Vortaro 2005』のほか、もし新版のPIVが出ていればそれも、そしてほかによさそうなものを探して備えておきたいと思っています。


今回はエスペラント語の単言語辞書についてお話ししました。
いかがだったでしょうか?

おススメの辞書がわかっても、

単言語辞書についてはまだまだ不安があると思います。


沖縄で受験するみなさんが試験当日、
辞書のことで困らないように


これからサポートしていきますね~!


では次回の「【入門】辞書を使いこなす」まで、
現行のPIVと同じ検索ができる vortaro.net で、知っている単語を検索したりしてPIVに少し慣れておいてください。みんなこれを使ってます。あるいは Reta Vortaro(通称ReVo レーヴォ)。


今回のまとめです。
1.KER試験では単言語辞書が使える。
2.辞書はいろいろあるけどとりあえず『PIV』がおすすめ。
3.PIVは2020年上半期に新しいのが出る。
4.沖縄会場での受験者は辞書がなくても宇宙的な安心感を得られる
5.PIVと同じ内容が検索できるvortaro.netってサイトがある。
6.「権威的」とされるものの価値はその記述の妥当性にではなく、たくさんの批判を受けて議論の土台となっていることにこそある。


いやぁ、みかん食べたいねぇ。。。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?