ビタミンDが認知症発症リスクになる???

先日こんなニュースが出ていました。

高齢者のビタミンD3長期服用、認知症発症のリスク増加の恐れ=台湾の研究機関

最初見出しを見たときビックリしました。
だってビタミンDは脳機能に良いとされていたからです。
BDNF(脳由来神経栄養因子)を増やす作用もあるともいわれています。

しかし記事を読んで、この誤解を与えるような見出しに本当腹が立ちました。
いつかブログに書いてやろうと懐で暖めていたのですが、今日たまたまこのニュース内容に対するお問い合わせがあったので、今回早速書くことにします。
誤解してビタミンD補充をやめてしまう人もいるかもなので。

まずこの研究で使用されたビタミンDは、
「活性型ビタミンD3製剤」
と言われるものです。
一般名はカルシトリオール、日本での商品名はロカルトロール。
つまり処方薬です。

「活性型ビタミンD3製剤」

「サプリメントのビタミンD3」
は全然違います。

まったくもって違う。

処方薬の「活性型ビタミンD3製剤」は高カルシウム血症という副作用が出てしまうことがままあるんですね。
それは超有名な話です。
それによって腎機能が低下してしまう例もあるくらいです。
ですから、処方薬の「活性型ビタミンD3製剤」を飲んでいる人は、カルシウムの値や腎機能をチェックしていかなければなりません。

一方、サプリメントのビタミンD3は常識的な量で内服していれば、高カルシウム血症になる頻度はそれほどありません。
ちなみにこれまで、サプリでビタミンD補充をしすぎて、ビタミンD濃度《25(OH)ビタミンD》が100を超えてしまった方を数名みています。
しかしカルシウム値は問題ありませんでした。
当然腎機能低下も認めていません。

サプリとしてビタミンD3を補充すると、必要な分だけ体内で活性型ビタミンDに変換されるイメージです。
ですから、サプリメントのビタミンD3は安全性が高いのです。

それを強引に外から活性型ビタミンD3を補充すれば、身体に異常が出てもおかしくないです。

カルシウムって骨にいいから重要とか、そういう話ではなくて、カルシウムってのは体にとって重要なポイントです。
神経細胞を含めた細胞機能にも関わってきます。
説明するのが面倒なので、詳しくは「カルシウム 細胞 電位」とかで検索してみてください。

カルシウムが過剰になると多くの問題を引き起こします。
高カルシウム血症

詳しくは上記サイトを参考いただければと思いますが、抜粋すると、症状として
「疲れやすさ、倦怠感、イライラ感、眠たい、食欲がない、便秘などがあります。高カルシウム血症の程度が強くなると、筋力の低下、多飲・多尿・喉の渇き、吐き気や嘔吐、腹痛などをみるようになります。さらに、情緒不安定からうつ病を疑われることもありますし、妄想、意識消失に至ることもあります。高カルシウム血症に関連して、尿路結石はよくみられる症状のひとつです。
高カルシウム血症と関連して不可逆的な腎機能障害が発症することがありますし、膵炎や胃潰瘍などが生じることもあります。また、不整脈に至ることもあります。」
と書かれています。

うつっぽくなるとか、妄想、意識消失とか認知症と間違われやすいですね。

体で過剰なカルシウムは、体内のいたるところに沈着します。
血管に沈着もします。
すんごい人はレントゲンとか撮っても、大動脈に沿って沈着した石灰化が見れるほどです。
いわゆる動脈硬化の原因はコレステロールだとかいろいろいわれていますけど、カルシウムが悪さしている部分がかなり大きいと思っています。

また脳にも沈着することがあります。
CTで真っ白く写ります。

細胞レベルでいえば、カルシウムが悪さして神経細胞を含めた細胞機能が悪くなったり、細胞が死んでしまいます。

そりゃ、活性型ビタミンD3製剤で、認知症リスクになるのは想像に難くありません。

カルシウムというのはマグネシウムとのバランスが重要です。
しかし現代人は圧倒的にマグネシウム不足に陥っています。
その原因は、化学肥料の使いすぎで野菜にミネラルがほとんど含まれていないことや、リン酸塩などの添加物(どこにでも入っている)の影響です。
添加物が体に入ってくると、体内のマグネシウムが流出してしまいます。

マグネシウム欠乏によって起こる病気として、
糖尿病、こむら返り、心筋梗塞、脳梗塞、うつ病、不整脈、悪阻、尿路結石、アトピー、気管支喘息、花粉症、不眠、片頭痛、月経前症候群(PMS)、便秘
などがあります。
動脈硬化とも十分関係があります。

このリスト見ると、現代病ばかりですよね。
現代病はマグネシウム不足から作られたと言っても過言ではないかもしれません。

添加物とか化学肥料でわざと(?)マグネシウム不足と作り出す

病気が増える

医者や製薬会社が大繁盛

的なプランがあるんじゃないかと疑ってしまうくらいです。
治療は本来はマグネシウムをしっかり補充するだけでいいのに、病院行けば糖尿の薬出されたり、うつの薬出されたり、ステロイド出されたり、対症療法ばかり
対症療法は患者さんを治していることになりませんからね。

ちなみにマグネシウム不足で糖尿病リスクにもなるし、糖尿病だとマグネシウムがさらに流出しやすくなるのでさらにさらにマグネシウム不足になります。

マグネシウム不足は突然死にも関連するの?〜インスリン抵抗性を介して糖尿病の原因に〜

なんと札幌南一条病院の先生が語っています。

ちなみにこちらに他の記事も多数あります。

専門家が語るマグネシウム

現代人は、「相対的にカルシウム過剰、マグネシウム不足」になっている人がほとんどです。

ちなみに牛乳はカルシウムは豊富だけどマグネシウムがほとんど含まれいないので、牛乳ばかり飲んでいると
「カルシウム過剰、マグネシウム不足」
に拍車をかけることになります。
毎日ガバガバ飲むのは良くないです。
ホルモンの問題もありますしね。
とにかく牛乳を飲めというのは間違い。
ミルクランド北海道には悪いけど。

ちなみに以前、家庭内暴力が止まらない男の子のケースがありましたが、よくよく話を聞くと毎日牛乳をガバガバ飲んでいました
まるで中毒のようにです。

上記に高カルシウム血症の症状のところに「イライラ感」ってありましたね。
このケースでは牛乳が犯人(の一人)だった可能性があります。
犯人を突き止めたところで外来に来なくなっちゃったのでその後はわかりません。

とにかくマグネシウムは大事!
ってすごく話が脱線してます。

元の話に戻りますけど、
研究結果では、死亡リスクも上がったとのこと。
そりゃ上記で説明したとおり、カルシウム過剰、マグネシウム不足でいろんな病気が起こりますからそうなるわなって話。

「アルツハイマー病モデルマウスを使った実験では、モデルマウスにビタミンDを投与すると大脳の病変を悪化させ、知能が退化する」って、そりゃカルシウム過剰で細胞死を引き起こすからねって話。
神経細胞内に多量のカルシウムイオンが流入することで,最終的に神経細胞死が引き起こされます。

「高齢者のビタミンD3長期服用、認知症発症のリスク増加の恐れ」
という見出しは明らかにミスリードです。

正しくは、
「高齢者の骨粗鬆症に対して使用される処方薬の活性型ビタミンD3長期服用、認知症発症のリスク増加の恐れ」
になります。

こういうニュースを出して、サプリでのビタミンD補給をやめてしまう方が出てくるのは残念です。
日光浴とかでは十分作られませんからね。
真冬でも全身真っ黒になるくらいじゃないと血中濃度50以上なんて保てません。

オミクロン株の初期型にはなぜかあまり有効ではなかったですが、ビタミンDが感染症対策の手助けになるのは間違いありません。
そしてワクチン後遺症で自己免疫疾患になってしまった人は、免疫が間違って過剰に反応している状態ですが、ビタミンDをしっかり補充した方がいいですし、する価値は十分あるかと思います。

ビタミンDは、免疫が弱ければそれを底上げしてくれるし、免疫が過剰であればそれを抑えてくれます。
つまり免疫を「中庸」に持ってきてくれるイメージです。

テレワークだ何だとかばかりやっていると確実にビタミンD欠乏になります。
しかも真面目に自粛していた人ほど欠乏する。
感染しちゃったとか濃厚接触で自宅待機させられても欠乏しちゃう。
あんまりウロウロしてウイルスバラ撒かれるのも困るけど、今の感染症対策ってビタミンD欠乏に陥らせて感染症を治さない仕組みになっています。
人が密集しないところでの日光浴を大いにすべしです。

そして今回の誤解を与えるようなニュース。

何か意図があるのかなぁ。
研究者ってそんなレベルなん?

そしてよく栄養士とか、専門家もどきが「ビタミンDサプリは高カルシウム血症に注意」とか警告してるけど、それもどれだけ自分で実践し経験した話なんだろうと疑問に思って冷めた目で見ています。
ちゃんと多くの症例の血中濃度を自分で調べたり、カルシウム値を調べたりした上での発言なんだろうか。

実臨床で起きていることは、これら栄養士とか専門家もどきが言っていることとはぜんぜん違います。

今回の記事もそれらしく書かれているけど、本当メディアってウソも多いです。
ウソというか、まるで悪意があるかのように誤解を与えるような書き方していたりとか。

今回のコロナ騒動でもエビデンスだなんだってうるさいけど、結局実体験に勝るものはない。って思います。

と言っても、明らかにワクチンの後遺症の患者さんをたくさんみても何も気づかない医者も多いけどね。

無駄に医療機関の食いものにされないように、自分でできるケアなど役にたちそうな情報を大公開していきます。