No.1195 読めますか?
大分地方気象台は、3月30日に開花宣言をしました。
昨日、大分市内の高尾山公園に散歩がてら花見に行きました。わが家から片道3km前後です。45分くらいで着きました。
歩いているうちに、若いころに痛めた左ひざが少しうずきました。頭に「疼」の字を思い浮かべたら、「疒(やまいだれ)に春」の漢字はあるのかなと、ふっと思いました。もしそんな字があったら、何と読むでしょう?
諸橋轍次著『大漢和辞典』(大修館書店刊)に載っていなかったので、多分、そんな漢字はないのでしょう。だから勝手に考えて、
「疒(やまいだれ)に春」で、
音は「シュン」
訓は「浮かれ出(る)」
としました。
「啓蟄」になると、「虫が浮かれ出る」ように、「疒(やまいだれ)に春」と書いて、花を愛でる人々が「浮かれ出る」ことを表す漢字一字と私的に命名しました。花見は、春の病の一種(国民病)ですね。花粉症などのように人々を苦しめたりしない、浮かれ病です。
開花宣言から4日目ですが、このところの陽気に恵まれてか、高尾山公園の桜は、既に七分咲きでした。
「春ごとに 花のさかりは ありなめど あひ見むことは 命なりけり」
(『古今和歌集』春歌下、97番、題しらず、よみ人しらず)
「春がめぐり来るごとに花は盛りを迎えるが、互いに会うことができるのは命があってのことなのだなあ。」
今年もこうして花に出会えたのは、私に命があってのことです。本当に、ありがたい!
帰り道に、我が「推しの桜木」がある所に立ち寄りました。明野の斜面の一角にたたずむ数本ですが、満開になると桜の衣が木々を覆いつくす「桜衣笠」と呼びたくなる様を呈します。画像は、昨日のその1葉です。
「今年も、会えたね!」
その一言を互いに感じることが出来ました。爽やかな風に枝が「おいでおいで」と私を誘い、帰り際には「バイバイ」と別れを惜しむように揺れていました。
私の心の中にも、青空が広がりました。