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No.812 シニアなれども意気軒高

「昨日は、平成3年3月3日、しかも大安であった。めでたさに肖りたいと、この日結婚式を行ったカップルが大変多かったという。好天気だった。
 おかげで、私も開宴時間が一時間だけ異なる2組の結婚披露宴の末席に連なることと相成った。初めて学級担任となり、初めて送り出した卒業生たちであったので、感慨もひとしおであり、我がことのように嬉しい。
 両人の新郎も立派な社会人として藍より青い存在となって活躍していることが、より一層嬉しく思われた。
 聞けば、年月日を掛けてご丁寧にも3時33分に披露宴開宴をするという洒落た企画もあったそうだ。1991年(平成3年)の今年、333mの東京タワー(1958年=昭和33年12月完成)は、33歳を迎えるという。なにか出来すぎの感のするお話である。」
 
今から32年前の平成3年3月4日に発行した学級通信「Carat」(279号)のコラムにそんなことが書いてありました。「カップル」の言葉に何か時代を感じます。
 
そんな「東京タワー」だったのですが、2012年(平成24年)2月29日に完成し同年5月22日に電波塔・観光施設として開業した「東京スカイツリー」に、その座を明け渡すことになりました。「東京タワー」の正式名称は「東京電波塔」ですが、54歳の早春の事でした。
 
では、現在の東京タワーの役割は何でしょうか?文字通り「無用の長物」として港区芝公園に鎮座しているだけなのでしょうか?実は、 東京スカイツリーに万が一トラブルが起こった時、東京タワーが代わりの電波塔として働く「予備電波塔」の役割を背負っているのだそうです。
 
まだまだ意気軒高!お役に立ちます。「昔の名前で出ています!」なんてことだってあるかもしれません。2023年の今年、65歳になる東京タワーはシニアの仲間入りです。ようこそ、僕らの世界へ!
 
「東京タワー光よ久しぶり泣いた」
俳人・五島高資(1968年~)


※画像は、クリエイター・kaeruco ... ((( ∧(◉ _ ◉)∧さんの、タイトル「みんなのギャラリーに入れてみよっかな。ヘッダー画像サイズってこれでよかったっけな。」をかたじけなくしました。色合いと言い、街並みと言い、東京タワーと言い、みごとな世界観です。お礼を申し上げます。