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No.1040 コケちゃいました!

2017年(平成29年)「第17回 有老協・シルバー川柳」には秀作がずらりと並んでいます。いくつか作品を紹介しましょう。
 
「紙おむつ地位も名誉も吸いとられ」
(男性・神奈川県・73歳)
 
「手をつなぎ互いの杖となるあした」
(女性・愛媛県・63歳)
 
「物忘れ知識を少し捨てただけ」
(男性・千葉県・70歳)
 
「温かく迎えてくれるは便座のみ」
(女性・茨城県・53歳)
 
「『君の名は?』老人会でも流行語」
(女性・岡山県・62歳)
 
「遺言書『すべて妻に』と妻の文字」
(女性・愛知県・59歳)
 
「ルンバさえ越えてる段に足とられ」
(女性・大阪府・58歳)
 
泣き笑いの多いシルバー生活ですが、輝いて見えちゃうのはどういう訳でしょう?
 
昨日の学校への荷物はちょっと多めでした。左肩に通勤用のバックを掛け、右肩にはノート型パソコンを入れたバッグを負い、左手には弁当を詰めた袋を持ち、右手には提出させた30冊余りの生徒のノートを入れた丈夫な紙袋を提げ、学校の中央廊下を歩いていました。
 
丁度真ん中あたりに4段の階段があり、下りると左手に購買部があります。その前を通り過ぎると当然のごとく4段の上り階段があるわけです。両手両肩がふさがっていたのと、若干の重みに体がよろけたのか、上り階段の4段目で足を踏み外し、荷物ごと行き倒れのように前につんのめり、左ひざを強打。「痛(いって)えっ!!」と声が出ました。
 
幸か不幸か、記憶が次第に薄らいでゆくようなことなく、授業中だったので廊下に人がおらず、大爆笑の中で恥ずかしい思いをすることもありませんでした。そこは古希の紳士です。泣くこともなく、気丈に立ち上がりました。

しかし、左ひざの痛みは、そのまま心の痛みとなりました。こんなことは、初めてだったからです。小さな自信喪失。足腰が弱った自分を痛みで客観視することになりました。
「注意しながら歩くことが必要な年齢だぞ!」
と身体に教えられました。
 
それにしても、一瞬のことで、なぜ転んだかを覚えていない(転んだ理由が分からない)のです。踏み外したのだろうと思っているのですが、なぜそうなったのかが分からない。分からないということは不安が伴うものです。よろけて均衡を失っただけのこと、単なる不注意と片づけてしまえば、それはそれで良いのでしょうが…。釈然としません。
 
ただ、面白かったのは、転ぶときに「危ないっ!」と感じたのだから、持っているものを手放せば良いのに、逆に、しっかり握りしめたことです。そのために、上手く手を付けず、膝から落ちてしまいました。一張羅のズボンが、擦り切れるすれすれのところでした。
 
名誉のために申し上げますが、この階段なら、流石のルンバ君も上り下りは出来ますまい。そんなところでコケちゃった私ですから、川柳の餌食になることは無いのではないでしょうか?えっ、無いこともなくはない?


※画像は、クリエイター・にゃこぱんさんのルンバの1葉をかたじけなくしました。その解説がユニークです。お礼申し上げます。
「お掃除ロボットルンバは便利。綺麗に床やカーペットの埃やよごれをとってくれるよ。部屋はいつも清潔な状態に保ちたいからね。時間も節約。隅々まで廻ってくれるよ。家事労働の負担を軽くするね。共働きの強い味方だ。ペットがいるお宅にもおすすめだよ。」