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No.658 見せたい笑顔!

「二代目といえば、名にし負う梨園の御曹司たち、又、高座に上がる落語名人の跡継ぎ、あるいは、Jソウル・ブラザーズ等もいた。だが、この人のは二台目iフォンである。
 
 『なんか、動かなくなっちゃった…』
酷使し過ぎで、サボタージュを決め込んだのか、ご主人様への忠誠心をかなぐり捨てて反旗を翻したのか、カミさんの初代iフォンは、機能不良という形で幕を引いた。やむなく、二台目を手に入れた彼女であった。
 
 寝る時間以外は、高画質の大画面にご執心。この調子では、お風呂に入っても、トイレの中でもサクサク検索、上下左右に画面をスライドしては、他の世界と交信しているのであろう。私には、ついぞ見せたことのない笑顔で見入っている姿に『幸せ!』を感じるほど私はお人好しではないが、目くじらを立てるほど子供でもない。
 
 その頃の我が携帯は、2010年夏モデルのガラケーだったが、二重に折り曲げることが出来、長い間どこからも掛かってくることなく、1週間でも充電不要であり、買ったばかりの輝きを放つという優れものであった。
 
 二台目は、当分先のことになりそうである。したがって、笑顔も当分の間お預けである。」
 
そんな風に書いていた数年前のコラムを見つけ、チャンチャラおかしくって笑っちゃいました!というのも、私は、カミさんに遅れること3年目の2020年12月に、めでたくiフォンdebuしてしまったからです。
 
おかげで、ようやく時代の裾にしがみつくことも、LINEの家族グループに入ることも、ユーチューブで盛り上がる生徒との会話を弾ませることもできるようになりました。
 
それだけではありません。毎日書き続けていたコラムをネットにアップしてはどうかと、息子の懇切丁寧な手引きをいただいて、多彩で多才な方々のコラムに出合い、「学友」ならぬ「楽友」に出逢った気分です。更新される「楽友」のページは、知らなかった世界をより深くより広くいざなってくれます。まさに「知るは楽しみ」「知るは喜び」「知るは感動」であります。
 
政治や経済や思想など、無案内至極な私の脳みそに激しい電流が流されるような舌鋒鋭き論客もいれば、専門的知識や研究成果を惜しげもなく開陳して高い次元に誘ってくれる人もあれば、多種多様な趣味の世界を覗かせてくれたり、四季折々の雑感を外連味なくのどやかに綴ってくださる方もいます。

十代や二十代の若い方もいれば、私と同世代や、さらに年配の方々もおられます。みなさんから大いに刺激を与えていただきながら、時には心あるコメントを頂戴しながら、今日も元気で心と言葉の交信ができることの幸せや喜びを強く感じているのです。
 
私の笑顔は、ほつれてしまいそうです。2代目、イイね!

※画像は、クリエイターmilkdusta a.k.a ミルカル・ダストゥールさんのタイトル「Inner chaos」をかたじけなくしました。お礼申し上げます。