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No.777 ラッキーセブンとまでは言わないけれど…

食べ物アレルギーは、時に命を脅かすほどの大事に至ります。日本では21世紀初めの2001年に加工食品のアレルギー表示制度ができたそうです。

現在は、7品目(「鶏卵」「牛乳」「小麦」「そば」「落花生」「えび」「かに」)を「特定原材料」として表示を義務づけ、さらに19品目を「特定原材料に準ずるもの」として、表示することが推奨されているといいます。品目は、さらに増えているかもしれません。

私は、カニは大丈夫なのに、「エビアレルギー」でした。高校時代にエビフライで顕著なアレルギー反応を起こして以来、エビが食べられません。大学3年の頃だったか、すっかりそんなことを忘れており、学食でエビフライ定食を食べたら、30分ほどで顔中が痒くなり始めました。ほぼボクシングで一方的に殴られっぱなしのボクサーみたいな凸凹の顔になりました。あの「お岩さん」でさえ「引くぅ!」と言いそうなくらいのお顔です。

午後からの授業は自主休講とし、目の部分だけをハサミで切り抜いたハンカチを顔面に当てたままの限りなく怪しい格好で、電車を乗り継ぎ小一時間かけて下宿に帰りました。

その途中で気づいたのですが、「あらま、こんなところに!」と、今まで気づきもしなかった薬屋さんを数軒見つけ驚かされました。腹が減ると食べ物屋さんが目に付く、体調が悪いと自然に薬屋さんが目に入ってくるものなのですね。下宿で横になっているうちに、腫れはおさまりました。

生徒や友人たちは、そんな私を「えーっ、可愛そう!」とか、「貧乏人にふさわしい!」とか、「人生の数%も損してるぅ!」とか、「結婚披露宴に呼ばれた時には、隣の席に座ってあげるよ!」とか言って慰めてくれます。そんな人々に対して、
「大きな海老なんか食べた日にゃあの世行きだと思うから、私を亡き者にしたかったら、伊勢海老の4,5匹でもドドーンと自宅に送りつけなされ!」
とお勧めするのですが、愛されているのか(?)、お金がもったいないのか、誰一人として送ってはくれません。

ところが、「案ずるより産むがやすし」いや「習うより慣れよ」いや「窮すれば通ず」いや「あとは野となれ山となれ」ということでしょうか?な・な・なんと、子供が生まれたら体質が変化したように(?)いつのまにかエビが食べられるようになってしまいました。

私は特異体質なのでしょうか?長生きは、してみるものだと思います。
 
「伊勢海老の 威厳は箸を ためらわせ」
 岸田万彩郎


※画像は、クリエイター・びよまろさんの、タイトル「半年ぶり3回目の伊勢|伊勢2020」をかたじけなくしました。豪勢な1葉です。お礼申します。