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No.1079 スライドショーのお手柄

パソコン画面にスライドショーを使っています。「ピクチャー」に取り込んだ画像が、思い出したように入れ替わるのですが、一日おきに変わるくらいのんびりしたものです。まるで、主の性格を写したかのような「ゆるゆるゆっくリズム」です。
 
本当なら、数十分ごとに入れ替わるくらいが画面のためにはよいのでしょうが、頭の固い私には、その手順がわかりません。いや、
「下手に触ると、パソコンを壊してしまう!」
という大いなる無知も手伝って、
「え~い、このままで行け!」
と現状維持(意地?)を金科玉条として、保留のまま時を過ごしています。
 
先日、いきなり画面に「どアップ」で映し出されたのは、紫色のちゃんちゃんこを身にまとい、大黒帽をかぶって照れくさそうにケーキを持ったまま写った古希のわが姿でした。
 
その私の顔に、五十代半ばで亡くなった父の顔、在職中に病没した敬愛する先輩同僚の顔、三十代後半の若さで急逝した旧同僚の顔、中学の還暦同窓会で故人となっていることを知らされた友人の顔、二十歳の誕生日を迎えられずに永眠した教え子の顔、妻と二人の子どもを残して逝かざるを得なかった教え子(剣豪)の顔、顔、顔…。
 
私に関わってくれた、いろんな人たちの顔が、私の画面に上書きされるように次々と思い浮かびます。生きていたら、彼らの古稀はこんな感じだったのかなあと、彼らの肖像画がスライドショーしてゆくように感じました。
 
そうやって、在職中に慣れ親しんだ時を懐かしむように現れてくれました。スライドショーのおかげ、お手柄だと思いました。


※画像は、クリエイター・きゃめらまさんの、タイトル「好古園 紅葉会 🍁」の1葉をかたじけなくしました。「綺麗なあ」の作者の一言がさらに効いています。お礼を申し上げます。