No.1161 今泣いたカラスが
昨日は、大先輩T先生のお話でしたが、今日は、ある女先生の若かりし頃のコラムです。ご一読いただければ幸甚です。
ちょっぴりアナクロニズムで、地方の封建的な残像が生きていた頃のお話です。そんな中でも、現代的なセンスとジョークを忘れない、明るく溌溂とした女先生でした。
そうは言ったものの、やっぱり「恋は思案の外」なのですね。いつ、どこで、どんな出逢いがあったのかは、皆目見当もつきません。しかし、「白馬ならぬ愛車に乗った王子様」を見つけちゃったのか、「ガラスならぬスニーカーの靴を履いた彼女」が見初められちゃったのか、フォール イン ラブしてしまったのですから、この世の森羅万象の摩訶不思議さは、想像以上のものがあります。
私設「お悩み相談室」の必要これなく、まじめにお付き合いをし、周りの心配をよそに華麗にゴールインを決めてしまいました。
「今泣いたカラスが、もう笑(わろ)た!」
思わず、指さして言ってやりたいような恋物語の展開でした。
あの日から30年以上が経ちます。女先生は、孟子のいう三つ目の「教育の楽しみ」を実感しながら、親御さんにも旦那さんにもお子さんたちにも孝を尽くしつつ、今も教壇に立ち情熱的に授業を行っています。
長いようで短かった時の流れは、幾つものドラマを生み、幾つもの歴史を刻みました。
※画像は、クリエイター・村木藤志郎さんの、タイトル「NHK放送博物館」の1葉をかたじけなくしました。江戸川のカラス「キョエちゃん」の姿も見られます。お礼申します。