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No.1271 父よ、あなたは…。

1926年は、1月1日~12月24日が大正15年(丙寅) 、12月25日~12月31日が昭和元年でした。大正天皇は47歳で崩御され、第1子の裕仁親王が25歳で後の昭和天皇となられました。
 
昨日は「父の日」でした。
その「大正」最後の年となる1926年に生まれたという畏友のお父さんが、昔に詠んだ入選川柳を披露してくれました。
 
「その中にいじめも潜む鯉のぼり」
 
「正直な自販機非行の罪被る」
 
「左遷地へ運ぶ荷物と重い靴」
 
「躓いて転び定年まで届き」
 
「酸性雨地球の森を脅かし」
 
「商人の書斎冷たく税の本」
 
私も人生や仕事の途次で、何度も躓いたり転んだりしました。しかし、小過・中過を性懲りもなく繰り返しながらも、何とか60歳の定年を迎えることが出来たのは、周りの人々の支えやお叱りや後押しをいただいたからです。そこでしか見えない世界がありました。
 
彼女のお父さんの句の視点は、社会の問題点や、弱者や、不条理な物に対して注がれており、人の心の裏側に迫る鋭さを観ます。度し難い人間への深い愛も観ます。
 
四柱推命のネットのページに、
「丙寅の男性は、とても繊細で傷つき易く、神経質な性格をしています。」
というくだりがありました。「繊細さ」「神経質」な一面が現れた句も見られます。余人の気付きにくい所をズバッと言い当てたところに、今は亡きお父さんの才気を感じます。
 
「父の日」に特化した情報メディアサイト「父の日.jp」によると、応募総数2,019点の中から最優秀賞に選ばれたのは、
「父の日の ギフトでわかる 通知表」
という「るかさん」の句でした。父の日のプレゼントによって、お父さんの1年間の評価がなされる。それはまるで「通知表」のようだという厳しくもユニークな作品です。幾つになっても「評価」が付きまとう人生は、やえーこっちゃありません。
 
昨日、地酒の飲み比べセットを「通知表」として頂戴した私は、1953年(昭和28年)生まれで、干支は癸巳です。しからば、四柱推命では何と?それは、言わぬが花ということにしておきましょう。
 
「疵多き仙人掌父の日に咲けり」
 百合山羽公(1904年~1991年)


※画像は、クリエイター・堀行丈治さんの「鯉の群れ」の1葉をかたじけなくしました。子や孫の健やかな成長を願う鯉のぼりの勇壮さがみごとです。お礼申し上げます。