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No.927 空耳アワー?

2011年(平成23年)の第11回「シルバー川柳」(全国有料老人ホーム協会)には、全国から9,941作品の応募があったそうです。その中の入選20作品の一つが、次の句です。
「目には蚊を耳には蝉を飼っている」
 中村利之(大阪府・当時67歳)

50代の頃に、青空を眺めていたら目の中を小さな虫のような、アメーバーのようなものが浮遊するようになりました。「飛蚊症」が始まっていました。60歳で定年退職して数年たったころ、右の耳が聞こえにくくなりました。音がくぐもった感じで鮮明に聞き取れません。幸い、左耳でカバーできている状態です。

ところが、今年に入って、シーンとしていると、右耳に不快なノイズがあるような気がします。常に聞こえるわけではなく、何となく嫌で気になる雰囲気なのです。これって、ひょっとして、もしかすると、あの、いわゆる、「耳鳴り」の前兆ってヤツですかぁ?

耳が聞こえにくい、つまり、耳からの音の入力が低下すると、本来、正常なら雑音を抑制している脳の抑制作用がはずれ、「耳鳴り」を感じるようになるという説があるそうです。
だから、「耳鳴り」のせいで音が聞こえないのではなく、音が聞こえないから「耳鳴り」が起こるというのです。思わず、ヘーボタンを乱打してしまいました。
 
ということは、音を聞いておれば「耳鳴り」は抑えられるわけですが、夜になり寝静まるころには「耳鳴り」だけが聞こえてくるわけで、熟睡できなくなるのではと不安です。
 
昨日、午後4時半ごろに学校の玄関を出たら、いきなり「ジー」とセミの声が聞こえました。あちゃー、遂に「耳鳴り」がするようになったか?と一瞬思いましたが、たまたま近くにいた生徒に「蝉の鳴き声がする?」と、そっと尋ねたら「ハイ!」と元気よくこたえてくれました。不安が安心に変わったからか、その時の女生徒の笑顔が、とても美しく見えました。
 
セミが鳴くと梅雨が明けるとか言います。沖縄では、6月25日(日)に「梅雨明けしたとみられる」と気象台が発表しました。平年よりも4日遅く、昨年より5日遅い、全国で一番早い夏の到来だそうです。
 
ここ大分の梅雨明けも近いかと思って調べましたが、7月中旬の予想だそうです。早くもセミが鳴き声、湧き上がる白い雲は、夏本番まぢかを演出しているようです。画像は一昨日の夕方の景色です。
 
なにはともあれ、「耳鳴り」は「空耳」で終わったようです。
 
「耳鳴か梅雨明(つゆあけ)蝉かとも訊(ただ)す」
篠田悌二郎(1899年~1986年)の句と正に似たような経験をした次第です。