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No.1315 MATURI

noteのクリエイター・耀(ひかり)さんのコラム「わっしょいわっしょい」(7月27日)には、400年以上の歴史がある黒崎祇園山笠(福岡県の無形民俗文化財指定)の勇壮な画像が、心躍るほどたくさん紹介されています。
 
また、「祇園」や「わっしょい」の言葉が、古代ヘブライ語が語源であるという説も引用しながら、
「日本の文化伝統のルーツが渡来系民族によって形成されたという説を裏付けるものとして、とても興味深い。」
とも述べておられます。学びの楽しさがあり、ご一読頂きたいコラムです。

さて、私は、耀さんのその黒崎祇園山笠の写真を何枚も観ながら心を高揚させているうちに、北原白秋の詩「お祭り」の一節を思い出しました。独特の韻律のこんな詩です。

 わっしょい、わっしょい、
 わっしょい、わっしょい。
 祭(まつり)だ、祭だ。
 背中(せなか)に花笠(はながさ)、
 胸(むね)には腹掛(はらがけ)、
 向う鉢巻(はちまき)、そろいの半被(はっぴ)で、
 わっしょい、わっしょい。
 
 わっしょい、わっしょい、
 わっしょい、わっしょい。
 神輿(みこし)だ、神輿だ。
 神輿のお練(ね)りだ。
 山椒(さんしょ)は粒(つぶ)でも、ピリッと辛(から)いぞ。
 これでも勇(いさ)みの山王(さんのう)の氏子(うじこ)だ。
 わっしょい、わっしょい。
 
 わっしょい、わっしょい、
 わっしょい、わっしょい。
 真赤(まっか)だ、真赤だ。夕焼(ゆうやけ)小焼(こやけ)だ。
 しっかり担(かつ)いだ。
 明日(あした)も天気だ。
 そら揉(も)め、揉め、揉め、
 わっしょい、わっしょい。
 
 わっしょい、わっしょい、
 わっしょい、わっしょい。
 俺(おい)らの神輿だ、死んでも離すな。
 泣虫(なきむし)ゃすっ飛べ。差上(さしあ)げて廻した。
 揉め、揉め、揉め、揉め。
 わっしょい、わっしょい。
 
 わっしょい、わっしょい、
 わっしょい、わっしょい。
 廻すぞ、廻すぞ。
 金魚屋(きんぎょや)も逃げろ。鬼灯屋(ほおずきや)も逃げろ。
 ぶつかったって知らぬぞ
 そら退(ど)け、退け、退け。
 わっしょい、わっしょい。
 
 わっしょい、わっしょい、
 わっしょい、わっしょい。
 子供の祭だ。祭だ。祭だ。
 提灯(ちょうちん)点(つ)けろ。
 御神燈(ごしんとう)献(あ)げろ。
 十五夜お月様まんまるだ
 わっしょい、わっしょい。
 
 わっしょい、わっしょい、
 わっしょい、わっしょい。
 あの声何処(どこ)だ。
 あの笛(ふえ)何だ。
 あっちも祭だ。こっちも祭だ。
 そら揉(も)め、揉め、揉め。
 わっしょい、わっしょい。
 
 わっしょい、わっしょい、
 わっしょい、わっしょい。
 祭だ、祭だ。
 山王(さんのう)の祭だ。子供の祭だ。
 お月様紅(あか)いぞ。御神燈(ごしんとう)も紅いぞ。
 そら揉(も)め、揉め、揉め。
 わっしょい、わっしょい。
 わっしょい、わっしょい、
 わっしょい、わっしょい。
 
リズムやテンポがいいですね!声に出して読むことで、体が自然と誘われて動き出すような祭りの高揚感、勇壮でエネルギッシュな躍動感、伝統行事との一体感のようなものまで感じます。私は神輿の下をくぐった事はありますが、褌一丁で担いだ経験がありません。頭の中でしか叶わない疑似体験を、この上なく楽しんでいるのかもしれません。
 
耀さんの胸高鳴るページにいざなわれて、今日のコラムとなりました。感謝です!


※画像は、クリエイター・よろず工房:Yasuyukiさんの、タイトル「2016:湘南祭!」の1葉をかたじけなくしました。掛け声が聞こえて来そうです。お礼申し上げます。