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No.1057 どなたか…。

どなたか、お医者さんはおられませんか?

一昨日、7回目のワクチン接種に近所の某医院へ行きました。接種機関として初めてうかがった病院でした。私よりも10歳は若そうなお医者様です。
彼は、開口一番、
「ノーベル賞をもらった薬ですよ。物理学の素粒子研究の成果かな?あなたも、これを打ったら頭がよくなりますよ。」
と早口だったのでうまく聞き取れなかったのですが、なんかそんなことを言いながら、あっという間に注射しました。気づかない速さでした。

あれ?コロナワクチンの開発者なら、ノーベル生理学・医学賞じゃなかったかな?ちょっと物理学賞の事が気になったので帰ってから調べてみました。

 「2023年のノーベル物理学賞に「アト秒」と呼ばれるきわめて短い時間だけ光を出す実験的な手法を開発し、物質を構成する細かな粒子の1つ、「電子」の動きを観察する新たな研究を可能にした、欧米の大学の研究者3人が選ばれました。」(NHK「ノーベル賞」各部門の説明より)
とありました。ほらね!
 
さて、「アト秒」といえば、最近、noteのクリエイターのお一人・バナナさんが、10月5日の記事で紹介しておられます。
「10の18乗分の1秒のことをアト 秒というらしい。」
から始まる文章です。凄く印象的だったのでよく覚えています。というのも、「刹那」という言葉でさえ「現在の単位にすれば 0.013秒ぐらい」の短さだというのに、その「アト秒」ってどんだけ短けりゃ気が済むの?とひどく驚いたことを覚えていたからです。

いったい、あのお医者様は、何を言いたかったのでしょう?
どなたか、お医者さんはおられませんか?
 
そのワクチン接種から帰ってノーベル物理学賞のことを調べて、一息ついていたら、「ピーッ!ピーッ!」と何かを報せる音が聞こえます。「はて?」と音のする台所に行くと、ガスコンロからの警報音でした。私は、ワクチン接種に行く前に麦茶を作っておこうと、鍋に水を入れ火にかけたのですが、火を止め忘れて出てしまっていたのです。
 
幸い、状況に応じて自動で火が消えるコンロなので大事に至りませんでしたが、つい先日、あんなに美味しい秋刀魚を焼いたそのすぐ後に、今度は自分の家を焼いたとあっては、洒落にもなりません。本当に怖いことで、大喝を自分にくれてやりました。
 
やはり、老人にとって便利至極で「安心・安全」を謳った家庭用機材が必要だなと思い知らされます。毎日、出がけの際には「火の元」・「消灯」・「窓の鍵」をチェックしているのに、予定の時間に遅れそうになり、心が急いていて確認を忘れてしまった時に限って、こんな次第です。
 
しかし、確認すること以前に、ついさっきのことをこんなにも忘れっぽくなっている自分に気づき、本当に恐ろしくなりました。一体、私は、どうなってしまうのでしょう?あのワクチンで、少しはまともな頭になると良いのですが…。
どなたか、お医者さんはおられませんか?
 
「どなたですそういうあなたはどなたです」  
 大阪府、59歳、男性、自営業
 2021年「第21回 有老協・シルバー川柳」入賞作より
 笑いたいのに…。


※画像は、クリエイター・ia19200102さんの「ワクチン」の1葉をかたじけなくしました。お礼を申し上げます。