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#19 ひっこし

いまや過ぎ去りし秋田での生活について振り返るー。

引越(ひっこし)当日、荷物の大半を業者に運んでもらった部屋には寂しさが漂っていた。大学卒業後、慣れ親しんだ関東を去りはじめて移り住んだ東北の地、秋田ではじめのうちは土地の広大さや大雪に圧倒されていたものの、2年も住めば都だった。

住みはじめた時が懐かしい。
秋田がどんな気候なのか、秋田にどんな会社があるのか等をあまり知らずに移り住んだため、入社式前や土日に徒歩や自転車で街の徘徊やスーパーマーケット巡りをしたり、ポストに投函されるアルバイト募集のチラシでどんな会社があるのかを確認したり、「金萬はおいしいよ」など職場のひとに教えていただいたりして時間をかけて秋田の情報を集めていた。

はじめての雪国生活だったため、歩道では幾度かこけそうになったり、フカフカの新雪の場所だと気付かずに(体感的には30cmぐらい)足がすぽっと落下し、沼に踏み入れたごとく足が埋まって焦ったりもした。スタッドレスタイヤをはいた車で2回ほどスリップしかけ、幸い事故にはならなかったが前の車やガードレールに突っ込みそうになったこともあった。みな速度を夏季と比べてかなり落として走っているわけをそこで知った。

秋田での職場では新社会人として「身だしなみ」、「挨拶」、「メールの書き方」、「電話応対」、「同期や仕事で関わるひととは親しく接すること」を身につけ、「仕事の進め方」を学べたと思う。「仕事で関わるひとへの気配り(情報共有や率先した手伝い)」と「仕事に対する責任感」、「わかりやすい言い回し(結論から口述)」を身につけると一層一人前の社会人に近づけそうだ。
残業を多くしながらも転職活動をしたり、FP3級の資格を取得したことで残業への耐性を身に着けたとともに、これまでひとつのことに集中しないとうまくこなせなかった不器用なわたしが少し変われた気もする。

この2年で厄年を迎え視力が衰えた気がするが、嬉しいことがいくつもあった。
・大学時代にお世話になった社会人Dr.の方の論文に共著として名を連ねていただき、その論文が学会で受賞した
・開催地が秋田になった「東北絆まつり2022秋田」に参加し、東北6まつりを居住地から近いスタジアムで観戦できた(しかも当時の社長の隣席で)
・3年ぶりに開催となった「大曲の花火」を予約席で観覧でき、3年ぶりに開催された「秋田竿灯まつり」では参加者として行列をねり歩けた
・会社の業務報告会では大学時代の発表鍛錬が実を結び入賞した
・大〇ハウスのポスト投函物を開くと1等だった
・三内丸山遺跡に立ち寄った日が偶然にも無料開放日だった
・普段あまり話していなかったひとと話す機会を得た
・10数年ぶりのボーリングでバックス・トゥ・バック・ジャック(2回連続ストライク)を出せた

こう振り返ってみると、いい会社でいい秋田ライフを送っていたなと思う。そんなわたしだが、秋田を離れ今年の4月から別の組織で働いている。

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