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”カリスマ社長”と呼ばれる父から会社を任されてみて今思うこと

2022年8月、私は父の創業した株式会社沖建の代表に就任することが決定しました。

ようやくここまできた。

代表就任が決定した時に感じたのは、安堵なのか、不安なのか、それとも、今後への期待なのか。今まで感じたことのない気持ちになったのは、まだ記憶に新しいです。

もちろん、代表就任はスタートラインにすぎません。
それでも22歳からの16年間、決して楽な道のりではありませんでした。

「カリスマ社長である父」

前社長(現会長)である私の父は、社員からも業者さんからも認められる実力の持ち主で、いわゆる『カリスマ社長』でした。
今の沖建を一から作り上げてきたのですから、当然です。

「どうせ息子だから社長になれたんでしょ」

中にはそう思う人がいても不思議ではありません。
二代目社長というのは初代社長ほどのカリスマ性を持ち合わせているとは限りません。

側から見たら父親の会社を息子が継いだだけ

そう思われてしまうかもしれません。
実際、そうなのだから仕方がありませんが。

しかし、少なくともただの二代目社長にならないよう、この16年間過ごしてきたつもりです。

いつしか憧れに変わっていた

毎晩夜遅くに酔って帰ってくる父。

そんな姿を見ていたら子供は誰でも嫌になりますよね。
私もその嫌になった子供のうちの一人でした。

今でこそそのイメージが払拭されつつありますが、
当時の不動産業界はハードな業界柄、酔って、暴れてが当たり前。

幼い頃の私は、不動産という仕事にあまり良いイメージを持っていませんでした。
しかし、父親の働き方、仕事との向き合い方を知り、そのイメージが一変しました。

ある時、父親に連れられて職場へ行くと、

「社長、〇〇会社の××お願いしてもいいですか。」
「社長、来週の◎時からよろしくお願いします。」
「社長、この物件ってどうですかね」

社員全員、父に頼り、父を慕っている様子でした。
皆から頼られている姿や、お金を稼いでいる姿をみているうちに父の偉大さを理解するようになりました。

そして、「いつか沖建の社長になりたい」という夢をもち始めます。

”息子だから”という理由で社長にはなりたくなかった

大学卒業後は、大手不動産会社に営業職として入社を決めました。
もちろん沖建に入社をするという選択肢がなかったわけではありませんが、「今のタイミングではない」と思い、一旦は別会社で経験を積むことに。

それは、

「良い角度」で沖建に入社する

という自分の中での強い想いがあったからです。

もう少し具体的に言うと、営業実績をしっかり挙げて、沖建に「必要な人材」になってから入社したい気持ちが強かったからです。

創業社長の息子がそのまま会社に入社したとして、社員や顧客から、創業社長と同じように信頼してもらえるとは思えませんでした。

創業社長は、カリスマ性があり、そこに惹かれてついていっている社員が多くいます。
私も自分の父親だからという理由ではなく、一経営者として父のことは尊敬をしています。

そんな状態の中、
何の実績もない状態で、ただ「社長の息子だから」という形で入社しても、実力のない息子のことなど社員は相手にしないでしょうし、社長を引き継いだ後も、父の言うことだけを聞いて、私の言うことには聞く耳を持ってもらえません。

息子だから”、二代目社長なるという状態ではなく、
”沖建に必要な人材だから”社長になってほしい

と皆に認められたかったんです。

新卒で入社してから8年間は本当に働きづめでした。
不動産営業のスキル習得だけでなく、社内外のさまざまな人脈を築き、全国表彰などの実績も挙げました。

その後30歳の時に沖建へ入社をします。
もちろんそこでも息子だからという甘えは一切なく、平社員からスタート。

前職での経験があったこともあってか、ありがたいことにとても温かく迎え入れてもらえました。
年上で社歴の長いベテラン社員も、私の右腕として協力してくれたりと、社員からの信頼を得るスピードも早かったと思います。

沖建に入社後も、実績作りや周囲との関係性構築に向けて、手を緩めることなく努力してきました。特に仲間である社員とのコミュニケーションは、こちらから積極的に取るよう意識していました。

実績作りにおいては、それまでいた会社は大手だったので、会社の看板の力も多少使って実績を作ってきましたが、沖建は中小企業なので、そうはいきません。

そこで私は、まるで「自分株式会社」を作るようなイメージで、
自分独自の人脈や信頼関係を形成し、実績を作っていくという営業スタイルに変えました。

他の社員がやらないような、別エリアの不動産屋や他業界とのネットワーク作りにも注力してきました。

私たちの仕事は、どこから情報が入ってくるか分からないような業界でもあるので、今まで付き合いのない人たちと信頼関係を築いておくことは、その後にも良い影響があったと自負しています。

そんな功績が社内でも認められ、平社員から課長、部長へと昇進していきます。
そして今年の8月に、初代社長から「そろそろ会社を任せても大丈夫だろう」という話があり、38歳のタイミングで沖建の2代目社長に就任することができました。

不動産営業においても鍵になるのは「信頼」

こうやって16年間を振り返ってみると、周囲からの「信頼」について意識をしていた私ですが、不動産の営業において信頼は切っても切れないものだと改めて感じています。

不動産屋というのは、物件を扱って売上を作るわけですが、
お客様が物件を買う・買わないを決める基準は、どんなことだと思いますか?
(少し考えてみてほしいです。)

物件を買う・買わないを決める基準は、立地や築年数といった「物件の価値」が、95%を占めているのです。
例えば、みなさんがマンションを借りるとしましょう。
その際に対応をしてくれた方が、
A:非常に愛想のいいが、物件はボロボロな物件と、
B:愛想はないが、新品で値段も抑えられている物件

どちらを選びますか?
おそらく大半の方がBを選ぶと思います。
多少愛想が悪くても、良い物件であれば選んでもらえます。これは当然不動産以外にも当てはまりますよね。

この例からわかるように、営業をする際に個人が影響を与えられる要素は限りなく小さく、
基本的には物件(商品)の価値がものを言います。

そんな業界だからこそ、そのたった5%しかない営業マンとしての価値を10%、15%に伸ばしていけるかどうか。そこで営業マンとしての資質が決まると思っています。

先ほどの例は賃貸の話でしたが、物件の仕入れ(※1)の観点で見ても、不動産の情報というのは、基本的には個人宛てに入ってきます。
(※1)沖建では、土地を仕入れて販売する「仕入れ営業」を行っています。

「株式会社沖建に、この情報を流そう」ではなく、
「眞保榮さんに、この情報をあげよう」と思って連絡をくれるのです。

そのため、数多ある不動産屋・営業マンの中から、「あの人に情報を教えてあげよう」と思われる人でい続ける必要があります。

そこに必要なものこそが「信頼」だと私は思っています。

私の場合、この信頼を得るために、前の会社では、実績を上げることを念頭に置いて働いてきたのですが、
その実績があるおかげで、沖建に入社後も、顧客を含め、様々な会社関係者からの評判も良く、信頼してもらえてるなと日々実感しています。

切り開くのは自分次第

では、どうしたら周囲から信頼を得られるのか?という話になりますが、
信頼の獲得方法は、営業マンによって様々です。

例えば、マメな性格を生かしてお客様との連絡を頻繁に取るのもいいでしょう。
困った時に1番に想起してもらえる立ち位置に立っておくのもいいかもしれません。
コミュニケーションが好きなのであれば、たくさん会食に行って飲みニケーションを取るのも一つですよね。

沖建には、自分なりの方法で顧客からの信頼を得ている素晴らしい先輩社員がたくさんいますし、これから入社する皆さんには、あなたに合った方法がきっと見つけられるでしょう。

物件の価値が大半を占める不動産業界において、

「顧客との信頼関係によって、人の価値のウェイトを少しでも上げていきたい」
「社名でなくて、自分の名前で仕事を獲得していきたい」

そんな営業スタイルに共感できる人にとって、

沖建は、人から信頼を得て仕事をする方法が学べる最高の成長の場になると思います。

これまでの経験から、社員に信頼してもらうことの大切さや、
顧客に信頼してもらえることの大切さについて身をもって実感している私は、

学生の皆さんへ、私の考えを伝え、
『信頼してもらうこと』を目的として、このnoteを始めました。

実は、表に出るのがあんまり好きな方ではないのですが、
少しでも自分の考えを伝えることで、誰かの学びになったら嬉しい
そう思って書いています。

どんな些細なことでも良いです。
この記事を見つけてくださったのも何かの縁。
もし最後まで読んでみて、興味を持っていただけたらご連絡いただけると嬉しいです!

また、私の考えは随時更新をしていきますのでまた読んでいただけますと幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。

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