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デザイナー駆け出しが学ぶミュージアム旅

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よくわかんないけど、凄く惹かれる。 特に知見は無い。でも良い。これで良いんです。 時に学び、時に感じ、時に考える。 そんな、ミュージアムを巡る人生迷子のヒントを探す旅の記録。
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TDC2024(東京銀座/ギンザグラフィックギャラリー)

TDCという言葉を初めて知った。 グラフィックって本当に自由で底知れないパワーを感じる。 銀座という街の一角で ギンザグラフィックギャラリーは銀座の路地に少し入った場所にひっそりとたたずんでいた。 この控えめで近代モダンな感じが、スタイリッシュな銀座のイメージにマッチしている。 銀座という街は画材屋やギャラリー、画廊が多い印象があって、昔は地方には売ってなかったコミック画材を伊東屋に買いに来たものだ。 大きな赤いクリップ看板が目印。 ハイブランド店が立ち並ぶ中で、ちょ

⑫もはやこれはカルチャーだ。もじイメージgraphic展(21_21 SIGHT/赤坂)

デザインを勉強し出して興味を持った分野がいくつかある。 ひとつは印刷物。 ひとつは文字。 もうひとつはグラフィックだ。 日本語という言語文化 自分のイメージや考えていることを言葉、文字にするのが多いが、そこに絵が加わるとどうだろうか。 昨今、PC上で制作されたグラフィックデザインが普及し、様々な現代アートとして街なかに溶け込んでいる。日本のグラフィックなんか面白いもので、日本語だけで平仮名、カタカナ、漢字と3種類の文字が存在する。それらを組み合わせると唯一無二の、”日本独

⑪地元で行ってみよう~ヨシタケシンスケ展かもしれない(宇都宮美術館)に行ったら、ゆるくも想いがいっぱい詰まってた

もうぬげない。 そのイラストで私はヨシタケシンスケさんを知ることになった。 お腹を出したこどもがじたばたと、「ぬげないよ」と葛藤しているイラストに地味にツボった。 そして地元・宇都宮で巡回展「ヨシタケシンスケ展かもしれない」があるということで行ってみた! 宇都宮は宇都宮だけど北に位置する森の中の宇都宮美術館 LRTだとかジャパンカップだとか餃子祭りだとかで沸いた宇都宮。 しかし美術館は街なかでは無く、北に位置している。 宇都宮環状線をぐるりと半周、地図で言うとちょうど

歴史から学ぶデザイン⑩「しりとり日本美術」展(出光美術館/丸の内)

なにかと立ち寄るようになった、丸の内。 美術館が非常に多いこと…! そんな丸の内にたたずむ、出光美術館。 今回は「しりとり日本美術」という、なじみやすいタイトルの展覧会へ。 ※撮影不可だったので文章でどんな感じか…伝われば幸いです。 日本美術からデザインを学ぶ 早いもので、展覧会やミュージアムへ訪れながらデザイン・美術を学び始めて10回目。 色々見てきたが、どうやら私は日本美術、特に江戸から明治にかけての作品に惹かれるらしい。多分…パキッとした色合いや、細工のデザイ

歴史は勉強になる! 印刷博物館(トッパン本社/文京区水道)

印刷は非常に多岐に渡り、様々な形で日本に伝来してきた。 昔「プリントゴッコ」とか流行りましたね。使ったことはありませんが… 人々の身近にあって、触れることのない印刷の世界。 デザインを勉強し出して、全くの素人なので歴史から…と博物館やミュージアムに足を運んで、印刷のご先祖様と印刷技術を勉強しに行ってきた。 トッパンという会社 場所は正直アクセスしにくいかもしれない。丸の内線・後楽園駅から徒歩10分といったところ。小石川後楽園を過ぎ、ひたすら歩く。こんなとこにあるのか?と

描く信念⑨ディヴィット・ホックニー展(東京都現代美術館/江東区三好)

ディヴィット・ホックニーという画家がいる。 彼は非常に多彩で、何でも描けるし、特に草木に対する描画は現在iPadで描いているらしい。 御年86歳の彼は「描く信念」と「イメージの疑念」に葛藤されていたのではないだろうか… 春は、必ず来る。 数年、コロナ禍が猛威を振るい、今年の夏はご無沙汰の行動制限の無い暑い日々だ。街を出れば以前とは考えられないほど人が多く行き交うし、諸外国から来日したグローバルな人々。 ようやく、以前の「日常」が戻ったような、そんな日々。 ホックニーさん

どう思う?を考える⑧「あ、共感とかじゃなくて。」展(東京都現代美術館/江東区三好)

共感されたいのだろうか。 いや違う、そうじゃないんだよね。 貴方の感じたこと、どう「思われたい」? 昨今承認欲求の塊だろう。 SNSから始まり、若者たちは「いいね」が欲しい。 そのためには「映え」る場所で「いい感じ」に写真を撮り、なかにはモラルマナーが崩壊してる。 10年前と比べると色々なツールが発達し、携帯(スマホ)も目まぐるしい進化を遂げている。まだまだ進化し続けるだろう。 さて、今回の「あ、共感じゃなくて。」展ではそんな、承認欲求や自分、他者、第三者目線で作品を通

歴史と表現を学べ!⑦大阪の日本画展~東京ステーションギャラリー(丸の内)

デザインの勉強を始めてから、歴史を手始めに…と色々展覧会をまわるようになりました。 しかしながら私ってばすっとこどっこいでして、休館日に訪れてしまい、昨年10月3か所行けませんでした。 その3か所目、やっと行けました。リベンジ完了です。 やったぜ。 勝手な日本画のイメージ日本画のイメージってありますか? 私はなんか…葛飾北斎が一番最初に思い浮かびます。 富士山とか、波打ちとか、そんなやつが出てきます。 ハッキリした色合いから、淡いものまで、線が細くて…とか何となくのイメー

学ぶ学習する美術旅⑥The Original展(21_21 DESIGN SIGHT/赤坂)~インテリアから得るデザインの神髄

モノを作るときってオリジナルが存在するわけだ。 オリジナルが愛される理由はいろいろあるだろう。 さて、オリジナルとは一体なんぞや…そんなデザインの神髄を知ることが出来る企画展がありました。 オリジナルにはいろんな意味が込められていた昔からあるデザインは必ずしも”スタート地点”が存在する。そこから改良されたり、ほかの人が更に改良して…を繰り返す。 元本は同じだが少しずつ、ほんの少し変えていく。 幾何学的で理論的で不思議なオリジナル師匠が言っていた。ほんの少しの改良で出来る

不思議を巡るデザイン旅⑤世の中を良くする不快のデザイン展(GOOD DESIGN MARUNOUCHI/丸の内)~”逆”転の発想を感じる

不快…に感じると人間誰しも「いやだな」と思うもので、マイナスに捉える。 しかしこの”不快”が私たちの生活をいかに”良く”しているか、知っているだろうか? どうしても、心地の良いものを編み出そうとするのが私たち。 しかし心地が良いだけでは、伝わらないこともある。 そんな”逆”転の発想からデザインの面白さを感じる展覧会を見つけたので是非足を運んでみてほしい。 世の中、”不快”で成り立ってた…不快のデザインとは一体どんなものがあるだろうか。 一番有名なのは、ゲーム機。 かの

好きを探す、学びを深める旅④アドミュージアム東京(汐留)~歴史からデザインを学ぶ、触れる

アド=広告のことである。 Webデザインの世界へ入り、単純に歴史を知りたくなったので調べていたら出てきたのが汐留にあるアドミュージアム東京。 正直私はデザインに関して全くの素人から飛び込んだのでここから学んでいくのも”アリ”だと思ったので足を運んだ。 プロでも、学生でも、アマチュアでも、思わず”なるほど”と学べる場所なので覗いてみてほしい。 Webデザインとは言うが幅広いので…バナー、広告、FV、LP…非常に多彩にデザインをするのがWebデザイン。 じゃあその起源は何なん

スキを探す美術館巡り③三菱一号館美術館(丸の内) 芳年vs芳幾 2人のライバル展~浮世絵を超えろ!若手絵師の奔走

昨年10月に、一度訪れている三菱一号館美術館。 現在の建物は復元されたもので、赤レンガ造りの文明開化的な館。 その三菱一号館美術館が今年4月、今の展覧会をもって1年半ほどのメンテナンスのため長期休館になる。 そんな異国情緒溢れる建物が丸の内のど真ん中で、なかなかに面白い企画展が開催されているので行ってみた。(2023年4月9日まで、要予約) 赤レンガ造りが好きだったなと思い出す子どものころ、横浜の赤レンガ倉庫が改修してオープンした。 そのころからみなとみらいには家族で足を

自分探し巡り②トキワ荘マンガミュージアムを訪れて~巨匠の青春から学ぶ表現の世界

トキワ荘という、未来の漫画家たちが住んだアパートが豊島区にあるのをご存じだろうか。 手塚治虫をはじめ、赤塚不二夫、石ノ森章太郎らが駆け出し時代から仲間とともに漫画の新時代を拓くために切磋琢磨した、おそらく日本で一番有名なアパート。 10数年越しに行くことが叶ったことで、考えることが多かった。 何かの参考になれば幸いです。 上手く描けないことのほうが多い、そんな世界表現など、人それぞれであろう。ましてや正解の無い、表現の世界はいつの時代も書き手を悩ませる種だと感じる。 漫

”今までやってみたかったこと”第5弾…スキを見直す①川崎市立岡本太郎美術館を訪れて

美術館には謎の魅力があったりする。 それはブラボーなものかもしれないし、 よく分からないが、何か惹かれるものがあるかもしれない。 そんな”なんとなく”感じるものを日常に取り入れるのも悪くないと思う。 10年ぶりに筆を取ったイラストを描く、私。 昨年からデザインの世界に飛び込んだものの”根っこ”は親愛なる岡本太郎がいたからかもしれない。 小学生の夏に出会った岡本太郎知ったのは、小学校5年生の夏。 「芸術は爆発だ」と名言を残したかの有名な芸術家・岡本太郎。 初めて見たのは