見出し画像

私は何者か、264


虚しく、放たれたもの。口を出でた、何と言うのだろうか、そのひとの言葉とでもいうのか。次からつぎから、消えてゆく。そんなことがありましたか。はい、昼下がりのことでした。いつのことでしょうか。ほんの数日前のことです。葉っぱは揺れていましたか。いいえ、葉っぱではなく、白い襟が揺れました。ふーん。せめて、自分の襟をピンと立てて暮らす事をよしとするか。あなたとの週末は私の辞書にはなかったのだが、辞書など次々に書き替えられる。歴史が生きているように、我らの日々は我らのもの。我らも我らの未来、そう呼ばせてもらえるならばだが、いまより先の我らは、多分生きていて、ただ普通に生きてゆくだけ。相互不干渉で今まで大方をそんなふうに生きてきた。この場で確かな、ような、思想と目見えた。それはしあわせ。そんな、瞬をみた。ほんとうだ。あと少し、死するその時まで。


それにしても、不確かと。


そんなふうに、確かなものは。


誰の手のなかにも。


あると思いたい。


私は何者か。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?