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私は何者か、373


その本のことは、前にも少し触れたが、みちのくの口伝、語り継がれてきたものがたり。

小野和子さん。

素晴らしい方。

母上のこころに閉じ込めた短歌を見た日から、始まる、旅。

旅。

旅とは、まこと、こころ動かされるものよ。

深く、浅く、広く、狭い、我らのなかのそのまたなかへゆく。

少しだけ、触れたろうか。
触れなかったろうか。

作為など、ない。

互いに、暗黙に、そう思い合えば、それは、我らは旅の道連れ。


道連れとは、良き、響き。



  あいたくて

  ききたくて

  旅にでる



わたしは何者か。


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