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私は何者か、460
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金毘羅大権現に行った。
旭社に、彼を残して、わたしは、奥社目指して登り切ると。
そうでないと、わたしの旅が完結しない。
一緒にいても、何もかもが、そうではないのである。だから、いい。尊重という言葉を知っているか。互いを尊重することの、愛、といえるものよ。
ひとりなのに、ひとりではない。
二人なのに、一人である。
後者は選ばぬ。
もう、そんなの嫌だから。
待つことに慣らされて、わたしを誰が待ってくれるというのか。
彼は、言う。
待ってるで。
奥社は自然光に溢れる、平和な空間であった。
奥社のおみくじは中吉。
御守りもゲットした。
帰ろう。彼のもとへ。
トントンと何人も追い抜かして石段を駆ける。
彼はソコに待っていた。
手を振り。ただいま。よ。
彼の髭がうっすら伸びて、実感するのである。待ちわびる、ということを。
ありがと。
わたしの旅は、けれど、完結しない。
まだ。
わたしは何者か。
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