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【コラム】自転車作りから学ぶ、作品を産み続ける方法

皆様お世話になっております、株式会社okidesignの沖田純之介です。
私の自己紹介は以下にリンクしてあります。

片倉シルク

15年ぶりに、シルクサイクルの荒井さんにお会いして来ました。
荒井さんは、自転車メーカー「片倉シルク」の元ビルダーさんでして、その後ジャイアントに移行。その後、ご自身のメーカー「絹自転車製作所」を運営され、現在も新作をバンバン生み出されております。

片倉シルクの詳細は以下をご覧ください。

荒井さん手作り、シルクのテンション号。ダウンチューブがワイヤーになって折り畳めます。

自分も中学生の時から「片倉シルクのMTB」に乗っており、荒井さんに2回もレストアして頂きました。
今回も自転車をお預けし、ギア比を変えるのと、リアディレイラー交換等のメンテナンスでお預けして来ました。

自分の片倉シルクMTB。80年代のモデル。

新しい自転車やパーツ交換なら自分でも出来るのですが、
「当時何を使っていた」とか、「このパーツが時代的に正解」とか「このパーツだけは現代のを使うしかない」等は解りません。
試しに近所のトレック専門店に持ち込んだ事があったのですが、あまり興味を持って貰えませんでした。
という事は、やはり荒井さんしか居ないのです。

店内には名車がズラリ。

今回のご依頼

今回はローギアをもっと下げたい。
80年代のMTBなのでローと言っても現代では少し高めなのと、自分の体力的に登れない坂も出て来ました。という事で歯車を変えるのですが、リアディレイラーもそれに対応した当時のものを探すか、加工しないと取り付けられません。因みにこのMTBは、フロント3段、リア6段で、ハブ幅130ミリという、現代の規格には全く当てはまらず、アマゾン等で簡単にパーツが手に入らないのです。さらに高校生の時に単独事故を起こしまして、当時親父が持って行った自転車屋に、リアディレイラーとギアを7段の安モノに変えられてます。シフトレバーは6段のままなので、SISをオフにし、ニュルッとギア変速を行ってました。
他の依頼は、30年以上替えてないチェーン交換とエンブレム交換、他に荒井さんが気になる所は修理お願いします。
このようなご依頼をしてきました。

エンブレムはこれを注文。

本当の目的

自転車がアップデートするのも嬉しいのですが、自分的には「荒井さんにお会いしたい」というのが強く、「突飛な作品を生み出し続けるには、どのような活動をすればよいのか」を探りたかったのです。
これは自分の仕事にもイコールになる事で「前進あるのみ」と考える自分に少しでもヒントになる事があるのではと思ったからです。

これも有名な荒井さんの作品。

分かったこと

結論として、「毎日自転車と接するお店を持っている」「やりたい事や夢がまだまだある」これが秘訣なのではと思えました。
荒井さんはシルクサイクルというお店と、研究所である工場をお持ちです。以前工場にも遊びに行きましたが、ただの鉄パイプから自転車を完成させるまでの自社工場です。(ただし当時はトイレが無かった、、)
ここで毎日自転車と接しながら、新作を設計し、ご自身で作りあげられます。

これもテンション。ワイヤーでつながっている折りたたみ自転車です。

夢を語れるか

そして夢も沢山あるそうで、「○○○○○○自転車ができたら、ユーコン川でのレースで勝てると思うんだよな、実際今作っててさ、この部品が○○で、ここが○○な訳。」と熱く説明して頂きました。
さらに「○○○○の量産型が出来たら、自分が死んでも自転車は残って行くからね」と少し寂しい事もおっしゃってましたので、おもわず量産型を予約させて頂きました。

目標

このようなパワーのある老人(失礼)になるのが、やはり目指す所だな。と今は思えました。 自分の考えは、「若手が出来る事は譲り、自分は前進して道を作る」と決めております。音の仕事は「耳の衰え」がどうしても出てしまうので、迷惑かけてしまう事も出てくると思うのです。なのでそういう仕事は若手に頼み、自分は音作りに専念する。
ここ最近は映画での「心境音」に拘っていたり、 さらには「音の仕事作り」にも専念しており、新たな分野に出て行ってます。例えばドローンやEVの音は10年程メーカーや大学等と研究を進めたり、建築音響では音響心理学を用いてマスキングサウンドを作ったりしております。
荒井さんにお会いして「やはり突き進むべきだな」と確信できました。

オリジナル軽量ギア変速機

継続のポイント

そして重要なコメントも拾えました。
「この自転車屋でメインストリームである、普通の自転車をやって、体力つけておいて、突飛な車両に取り掛かるんだよ。そうでないと生活もままらないし、いろいろとおかしくなっちゃうからね」そうも言われてました。

映像業界では突飛なものばかり作り、生活出来ない人も沢山いらっしゃいます。またはその逆で、クライアントワークのみして自分が死んでいく人もいます。因みに自分は起業してから5年間は、自分を殺して仕事をしておりました。なので仕事での平均点を取るのは早いし儲けも多かったのですが、モヤモヤする時間が過ごしていて、ストレスや疲れが異常に溜まってました。

そんな時代もあったのですが、15年前も荒井さんにお会いし力を頂きましたが、今回は確信が持てました。
自分も「沖田しか居ない」と言われるように前進していきます!

因みに荒井さん、バックオーダーを何台も抱え、数年待ってるお客様もいるそうです。すごいですね、、。

笑顔が美しい、、自分もこうなりたい。

そんな、荒井さんに会うにはこちらです!

シルク サイクル
〒356-0004  埼玉県 ふじみ野市 上福岡1-10-1
営業時間: 9:00-20:00
定休日:不定休(基本火曜日、水曜日)
電話: 049-267-5089

隣にコインパーキングもあります。

本日はここまでとなります!
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