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自社スタジオ、5.1chから9.1.6chへ。その3「サラウンドスピーカーを吊って音響調整」。

皆様お疲れ様です、株式会社okidesignの沖田純之介です。
私の自己紹介は以下にリンクしてあります。

今回はサラウンドスピーカーと調整のお話をしたいと思います。
弊社のスタジオでのサラウンド仕事は、ミニシアター系映画の仕込みと、音楽ライブのサラウンドミックス仕込み用です。

その1の記事に書いたようにフロントとサラウンドが同じスピーカーである必要は無いと判断しました。昔あったクアッドフォーマットの様に、リアに楽器を配置するような事は現在のライブミックスではありません。
それに音楽ライブのサラウンドミックスや、映画ミックスの基本はフロントチャンネルです。もちろん全てのスピーカーが同じであれば良いのですが、予算都合もありますのでサラウンドは全て以下のスピーカーを選びました。

現状のサラウンド仕事では、5.1chが一番多いフォーマットなので、5.1ch分は壁に固定し、7.1chや9.1chの時だけ増えたスピーカーを天井から吊るす事にしました。地面からスタンドで置いてもよいのですが、狭いスタジオなので使わない時は壁に掛けておくようにしました。

壁固定のサラウンドバック。
吊るされた状態と、白目の次女。
フロントワイドとサラウンド、使わない時は壁にかける。

このように、天井リグから吊り下げる方式をとり、簡単に設置と片付けが出来る様にしました。これで毎回同じ位置に一瞬で配置できます。
材料は角材と壁紙とフックのみで、ワイヤリングも天井からです。

角材。
スタジオ施工で余っていた壁紙を巻く。

9.1ch分のスピーカーは、全てツイーターの高さを自分の耳の高さに合わせて設置しました。さらに音量調整とディレイの調整をする為にDMEの回路を以下のように作り直しました。

フロント以外にディレイを設置

その1の記事に書いた様に、フロントスピーカーは、アンプ内蔵のYamahaHS5。リアは「CLASSICPRO CP500X」からNS-C210B。天井は「CLASSICPRO DCP30 mini」からNS-C210B。
この3パターンが混在してるのでディレイが必要なのですが、HS5が一番早いタイミングだろうと考えていたのですが、なんと一番早いのは天井、次にサラウンド、最後にフロントのHS5でした。ケーブルの長さも全て一緒なのに不思議ですね。
なのでHS5とLFE以外にディレイを入れ、クリックを流しながらタイミングを合わせました。

サラウンドは0.29msのディレイをかけた

全てのチャンネルのEQ調整と音量調整も再度行い、全チャンネルから同じ音を出した時に、真ん中に点音源で配置するように調整しました。
EQ調整は、フロントLCRとLFEをメインのB&W805D2に合わせるように調整し、それに合わせるようにサラウンドを調整しました。この手法はスタジオでは一般的で、THXPm3規格も同じ作り方です。
フロントとサラウンドのベースマネジメンントは80Hz以下をLFEに回すようにし、天井はベースマネジメンントしない状態にしてあります。
さらにサラウンドルーターのモード設定も少なくし解りやすくし、ボタン一番下は映画用の5.1chセッティングで、リアを4本使って音量が3dB下がるモードです。ここら辺はよくあるミニシアターと同じ設定です。

減らしたDMEのモード切り替え

今回DMEにディレイを追加した事で、エンジンが足りなく96kHzモードでは動かなくなりました。でも自分の耳は18kHz付近が限界ですから良しとしました。さらにHS5もその辺りまでしか出てませんからね。
楽器屋さんにはDME24Nの上位機、DME64Nを探して貰ってますので、それが手に入ったら96kHzモードにしようと思ってます。

これにて9.1.6chの施工記事は一旦終了と考えてます。またなにか追加するときは記載していきます。
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