ポテトサラダのこと

ポテトサラダと聞いて、どのようなイメージをするだろうか。

「ケチャップ味のスパゲッティとお弁当の隅のほうで隣り合わせになってる白いポテトサラダ」?

それとも「ふかしたじゃがいもをフォークの背で粗く潰した家庭のポテトサラダ」だろうか?

どちらもなんだかたまらなく愛おしい。

そばにいてくれるとなんだか無性に嬉しい。それがわたしにとってのポテトサラダだ。

その嬉しさがMAXになる瞬間がある。そう、居酒屋のメニューで出くわした瞬間だ。

実際に作ったことがある方はお分かりかと思うが、ポテトサラダ、実は作るのが結構面倒くさい。自宅で作る分量ならまだ良いが、お店で大量に仕込むとなると結構な労力がかかる。大量のじゃがいもの皮をむく工程を想像してほしい。気が遠くなる。

居酒屋の平均的な品数も考えてみてほしい。他にもたくさん仕込みが必要な中で、ポテトサラダに時間や原価をかけることができるだろうか。これはあくまでわたしの予想に過ぎないが、もっと利益の出るメニューに力を入れたいというのが各店の本音ではなかろうか。

そうなると、業務用のポテトサラダに頼らざるを得ないお店も出てくるのである。冒頭で述べた、お弁当に入っている白いポテトサラダというのがそれにあたる。

白いポテトサラダが嫌いなわけではないのだ。むしろそれはそれで好きなのだ。

ほんのり甘みがあって、口どけなめらか。そのうえ芋自体のホクホクした食感も感じられる。具材は少ないものの、その分アレンジがきくし、柔らかめなのでパンにも合えば、チビチビとお酒のアテにもなる。フライ物に添えているお店もあるが、ソースやしょうゆを少し垂らして味の変化を楽しむもよし、フライにつけて食べるもよしで、酒飲みにとってうれしいことこの上ないのでぜひいろいろな居酒屋で実施してほしい。

しかし、どんなにアレンジがきくとはいえ業務用だとベースの味は一緒なので、オリジナリティに欠けるのが残念な所だ。

だからこそ、お手製のポテトサラダはかなりテンションが上がる。

正直な話、どちらがやってきても喜んで完食することに変わりはないが、注文するとき、毎回どちらのタイプのポテトサラダが来るかドキドキしてしまう。

お手製のポテトサラダのいいところは、やはりその自由さにあると思う。

ピーマンを刻んで混ぜるのか

クリームチーズを混ぜるのか

いぶりがっこを混ぜるのか

シメサバを乗せるのか

味玉を添えるのか

ベースとなるポテトサラダ自体の味を細かく調整できるので、その分トッピングや具材のバリエーションが増え、こんな組み合わせがあるのかという驚きもある。可能性が無限なのだ。家に帰って、できるかわからないが再現してみようという気持ちを奮い立たせてくれるのもお手製ポテトサラダならではだ。

ここまで長々と居酒屋でよく出くわす2タイプのポテトサラダについて語ってきたが、どちらのポテトサラダもおいしい、しかしお手製のほうが自由度が高いよ、新たな発見があるよ、というのがわたしの結論だ。

人それぞれ心に思い浮かべる最高のポテトサラダの姿は異なると思うし、わたしの結論に異論がある人もいるだろう。でも、最後にこの揺るぎない一言だけ言わせてほしい。


「ポテトサラダ最高!」





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