最初のユーザー・顧客を獲得する53のアイデア

2022年5月15日 11:25

自己紹介

こんにちは、岡野健三（@OKenzo22）です。
現在は「エキサイト株式会社」というネットバブルの前からある歴史のあるネット企業で、クレディセゾンさんと業務提携した上で提供している、BtoB向けの後払い決済・請求代行サービス「セゾンインボイス」の事業責任者をやっています。

事業開始直後のお金が限られている中で、どうやって顧客を集めてサービスの改善につなげるか悩んでいました。

そこで他の会社・サービスではどうやっているんだろうと調査した時に見つけたAli Abouelattaさん「53 ideas to get your first customers.」の記事を直接許可を頂いたので、翻訳しました。

はじめに

Aliさんのコンテンツをもっと読みたい方は是非彼のメルマガ「First 1000」にご登録ください！

彼のメルマガはDoordashやStripeなどの有名スタートアップが、いかに0から始める際に顧客獲得をしたのかまとめた記事が沢山あって、かなり勉強になります。

サマリー

何のサービスでも使える「銀の弾丸」は存在しない。
お金をかけずサービスを広める方法は沢山ある。
他の人がやったことのない方法が成長の鍵になるケースがある。

初期顧客獲得戦略は以下7つの方法
1)作る
2)掲載する
3)投稿する
4)直接行く
5)パートナーシップを活用する
6)営業する
7)開催する

1) 作る

1 リアリティ番組
サービスを作っている中でより多くの人に知ってもらうためには、自分たちのスタートアップにまつわるリアリティ番組を作るべきかもしれません。
Gimlet Media(ポッドキャスト・スタジオ)のスタートアップ向けポッドキャストはとても良い例です。 Mid-day Squares(ヘルシーなチョコレートスナックのブランド)はインスタグラムの生配信機能を使って同じ事をしました。

2 販売しやすくするツール
Zumper(賃貸マーケットプレイス)は、仲介業者や家主がトップ5の賃貸マーケットプレイスに簡単ワンクリックで掲載可能なツールを提供しました。
2年後、彼らはニューヨークとサンフランシスコの掲載のうち80%を占めるようになりました。

3 サービスと直接関係ないけどかっこいいもの
Kapwing(ビデオ編集ツール)はFiremapというツールを作りました。
Firemapは火事から逃げる人たちに対して衛星画像を通じて自分たちの家の状態を確認できるウェブサービスです。
Firemapを自分たちのドメインで掲載しておきながら、様々なローカルな新聞で報道されたため、Googleの検索順位が上昇しました。

4 ピッチ動画
Smart Nonsense(おもしろメディア)はとんでもないピッチ動画を作りました。Ali Abdaal(有名なYoutuber)と Synthesis School(6才から14才に向けた教育サービス)を口説いた動画を見てみましょう。

https://twitter.com/HenryBelcaster/status/1450515075001880582?s=20

YOU'RE DOING IT ALL WRONG @synthesischool !!!@anafabrega11 @chrismanfrank pic.twitter.com/9tbVgehNtB
— Henry Belcaster 🧠 (@HenryBelcaster) October 19, 2021

5 Twitterのボット
YarnはTwitterのボットを使って、50万インプレッションを獲得しました。
同じようにMixpanel(分析ツール)も自分たちが解決出来る課題に関するつぶやきをしたユーザーを自動でフォローするようにしました。この方法で100もの顧客を獲得しました。

6 お土産
Atlassianの創業者はJavaのカンファレンスで15~20ケースのAtlassianのラベルが入ったビールを配りました。

7 Tiktok
Snack(新しい出会い系サービス)は、なぜこのサービスを作った説明するtiktokの動画を作成して、15万以上のPVを獲得しました。

8 チラシ
Uberはアーリーアダプターを魅了するために、イベントや地下鉄の駅、大学のキャンパスでチラシを配りました。同じようにGrouponもQRコード付きのチラシをプラットフォームの掲載企業を獲得するために配りました。

9 アンバサダー
アンバサダー・プログラムはSnackpass(食事のテイクアウトアプリ)を10キャンパスで展開し、10億円のGMVに到達させる助けとなりました。

10 ニュースレター
Ladderはサービスリリース前からリモートワーカー向けにニュースレターをして、10000人の購読者を獲得していました。最初の1000人のユーザーはそのニュースレターから来ました。

11 その他
コンテンツを作るための良い情報源としてLeadpagesが作ったプレゼン資料があります。このプレゼン資料は1年で16000もの顧客をコンテンツマーケティングを使ってどう獲得したかまとまっています。

2)掲載する

12 F6s (B2B向け)
少ない労力で大きいリターンを得るにはF6s(スタートアップ向けのコミュニティサイト。求人、イベント募集、集客が可能)に掲載するのがおすすめです。
400万人以上の創業者が割引を使うためにF6sを使っています。

13 Betalist
Betalist(スタートアップ向けのテスター募集サイト)はアーリーアダプターを見つけるプラットフォームです。
Front(あらゆるコミュニケーションチャネルを統合して管理出来るツール)は最初の50人の顧客をこのサービスから獲得しました。

14 ThingTesting (for D2C)
ThingTestingはD2Cブランドを掲載出来るサービスです。このサービスに掲載すると、初期のテスターやレビューを集めることが可能です。

15 Product Hunt
Product Huntは日々10万以上の人が来るサービスです。Loomは3000人のユーザーをサービス開始時に獲得しました。

16 Capiche (for B2B)
CapicheはSaaS製品の価格や評価を確認できる草の根のコミュニティサイトです。

17 Capterra (for B2B)
500万人以上のビジネス用ソフトウェア購買担当者がソフトウェアを検索・評価するために使っています。私はCapterraを通してcustomer.io(顧客対応自動化ツール)を見つけましたが、とても気に入っています。

18 Kickstarter
Lambda School(後払い制のプログラミングスクール)、Allbirds(環境を意識した靴ブランド)、Peloton(月額制のフィットネスサービス)は最初の支持者をKickstarterのキャンペーンから獲得しました。

19 Betabound
初期の顧客を獲得するのに失敗していたら、Betabound(テスター募集サイト)を始めるといいです。月間5万人前後のユーザーが使っています。

3)投稿する

20 Blind
Blindはテック業界のプロフェッショナルが匿名で活動しているコミュニティです。Fractional(不動産共同所有サービス)はこのプラットフォームにサービスアイデアを登録して、2000人以上のリードを獲得しました。

Source: Consumer Startups

21 競合製品のコミュニティサイト(for B2B)
Zapierは様々な製品のコミュニティサイトで、自分たちが解決可能な要望を言っている人々に対して、自分たちのWEBサイトに来るようにコメントすることで、アーリーアダプターを見つけました。

22 Indie Hackers
Prospects(大学生向けの求人サイト)、Virtual Mojito(オンラインイベント開催ツール。現在はサービス終了済み。)、Dorik(ノーコードWEBサイト制作ツール)は、 Indie Hackers(個人が自分のサイトやサービスを登録してポートフォリオを作り、プロジェクトの進捗状況や売上を報告するほか、ユーザーとの交流ができるベンチャー企業・個人事業主のためのSNS)で最初の100人以上のユーザーを獲得しました。

23 Hackernews
SegmentとSupabaseはHackernewsに投稿することで100個のリードを獲得して、フィードバックをもらいました。

24 Reddit
Discordはゲームジャンルのスレッドでリアルタイムのデモンスレーションを行うことで最初の顧客を獲得しました。

25 Quora
Quora内で質問に答えてあげるのは、一番労力がかからないユーザー獲得方法です。CB insightsのCEO Anandはアカウントをバンされずに、Quoraを活用して会社の認知を広げました。

26 Discord
ゲーム関連のDiscordグループに行って、新しいWebサイトを作ったと伝えると、沢山のユーザーが無料で来てくれました。
Brian E-Pal創業者(E-Palはゲームを一緒に遊ぶユーザーを見つけるサービス)

27 Linkedin
Linkedinは十分なサイズのリーチを得られるSNSの一つです。Wonsulting(従来ターゲットとされていなかった低学歴の人を、GoogleやFacebookに紹介するサービス)の創業者はLinkedinに積極的に投稿することで会社を大きくしていきました。

4)直接行く

28 交流会
DigitalOcean(低価格が特徴の新興企業・中小企業向けのクラウドサービス)は最初の50社の顧客をニューヨークで開催されたエンジニア向け交流会で見つけました。同じようにGithubはRuby on Railsの交流会で製品をデモンスレーションすることで、最初のユーザーを見つけました。

29 展示会
EtsyとNikeは展示会で出会いました。Etsyは毎週末必ず1~2の展示会に開催して、出展企業を探していました。その中でNikeはアスリート向けの靴を広めるために、その年一番大きい展示会に参加していました。

30 顧客のオフィス(for B2B)
毎日朝7時にBloombergはメリルリンチのオフィスに行って、新聞を読んでもらえるようにコーヒーやお茶を出していました。メリルリンチは最初の大口顧客になりました。

31 ピッチ大会
Trello(タスク管理ツール)はTechcrunchのカンファレンスでデモンストレーションを行うことで、最初の顧客を獲得しました。
48時間以内に13万人以上のユーザーがサイトに来てくれました。

32 カンファレンス(for B2B)
Kismet(ビジネスマッチングアプリ。すでにサービス終了。)とTwitterはSXSWで最初のヒットを起こしました。

5)パートナーシップを活用する

33 補完サービス
Speeddate(マッチングアプリ)は、ライブチャットアプリMeebo(サービス終了済み)を自分たちのサービスに埋め込むことで、最初の2000人のユーザーを獲得しました。

34 ニュースレター
Udemyの最初のコースはStartup Digestというニュースレターと組んで、5万人以上の購読者を獲得しました。

35 コミュニティ
Matter(ブックマークアプリ)はInterintellect (Anna Gatによるもの)、Progress Studies (Jason Crawfordによるもの) 、The Long Now といった様々なコミュニティと提携することで最初のユーザーを獲得しました。

36 インフルエンサー
GamingFrog(FIFA開催のサーカーゲームで賭けをするサービス)をリリースする前に、彼らは3ヶ月もの間FIFAやFIFAの関係するインフルエンサーとコンテンツを作っていました。
リリース日に1000人以上のユーザーを獲得しました。

37 ブログ
Pinterestは初期のタイミングでPinterestブロガーを集めたイベントをやっていました。そのイベントでは、地域のブロガーを招待・接待して、Pinterestについて話してもらっていました。

6)営業する

38 Twitter上の潜在顧客
FigmaはTwitter上で影響力のあるデザイナーに対してコールドメールを送って、最初のユーザーを獲得していました。

39 過去の職場の同僚 (for B2B)
Open Lowcode(エンタープライズ向けローコード開発ツール)は最初の100ユーザーを過去の職場の同僚から獲得しました。

40 レポーター
Transferwise(手数料が安価な海外送金サービス)はTechhcrunchに対して取り上げてもらえるようにコールドメールを送りました。実際に掲載されると1000人以上の登録がありました。

41 コールドメール
Gumroad(デジタルコンテンツを手軽に販売できるウェブサービス), Grab, Alibaba and BuyMeACoffee(クリエイター向けのメンバーシップ作成サービス)は最初のユーザーをコールドメールで獲得しました。

7)開催する

42 Pop-ups
Honeypot (now Thursday) (木曜日しか使えないマッチングアプリ)は最初のユーザーをロンドンの街頭でホワイトボードを置くことで獲得しました。

When you see something rather decent in the City then learn it's a PR stunt. No-one has cheated anyone and love endures @honeypot_dating pic.twitter.com/jG9wl7l3AG
— Richard Baker (@bakerpictures) August 8, 2019

43 ハッカソン(for B2B)
Monzoは会社主催のハッカソンに来た人に対して自分たちのネオバンクサービスへのデモを紹介していました。
ハッカソンを開催することで、7秒ぐらいしか見られないLPとは違って、24時間潜在顧客に対してピッチ出来るようになりました。

44 パーティー
TinderとBumbleはアプリダウンロード必須のパーティーを開催していました。

45 コミュニティイベント
「ターゲット顧客のためのコミュニティイベントを開催することからはじめました。こうすることで信頼性とブランドをすぐに得られました。ユーザーテストをするための個人的な繋がりが出来ました。」
Rachna Govani, CEO and Cofounder of Foodstand(一緒にダイエットする人を集めるアプリ)

学習コース作成から始める

Lambda School以外で、学習コース作成から会社を始める人々を見てきました。
もしかしたらアーリーアダプターと長期的な関係を築くための未開拓の機会が眠っているかもしれません。

Maven: コホートベースの学習サービス
Thinkific: 自分のブランドで学習コースを提供できるサービス
Teachable: オンライン学習とコーチングをワンストップで提供するサービス
Udemy: 元祖オンライン学習サービス

自分のブランドを築く

伝統的なSNSより新しいSNSで視聴者を集めるほうが簡単です。
いくつか視聴者を集めるために有益な急成長中のアプリを紹介します。

Diamond App: Web3版 Twitter
Popparazi: 友人限定の写真共有アプリ
Callin:ポッドキャストSNS
Racket: Tiktokのようなポッドキャストサービス

結論

これはマニュアルではなくガイドです。まず議論のはじめに使ってください。

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