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営業利益と純利益(と特別損益)

こんにちは。決算でバタバタしていますわ。
今日は企業の視点から見た営業利益と純利益についてお話するわ。
(スマホなので形式は後で加工するわ…見づらかったらごめんないね)

一般的な定義は下記ね。

営業利益…企業が本業で稼いだ利益。売上総利益金額から販売費及び一般管理費の合計額を控除した額。
純利益…企業が会計期間に生み出した「最終的な純利益」。営業利益から営業外損益、特別損益を控除した税引前当期純利益と、更に法人税等を控除した税引後当期純利益がある。

もしあなたが個人で会社をやっていたらどの数値が気になる?私は圧倒的に税引後当期純利益よ。結局いくら手元に残るかが大事だから。これが溜まっていくと内部留保になって今後の事業の軍資金にもなったりするわ。

ただ、特に上場企業の場合は圧倒的に営業利益なのよ。もちろん高配当企業だと純利益も気にするのだけど、株価の動きは営業利益に左右されることが多いの。株価の話はそう単純ではないけど、将来も含めた営業利益が一番重視されるわ。日系企業のみならず外資企業の営業利益(Operating Margin)に対するこだわりも物凄いわよ。

どっちにしたってそこに判断の余地がなければね、だから何なのよ?って話だけど、実際には企業には『特別損益科目』という科目があるの。例えばリストラがあったとして多額の割増退職金を払うとするじゃない?その時それを営業費用とするか特別損失とするかで営業利益が変わるのよ。固定資産の減損なんかもね、会社にとってネガティブな話なのに本来長年かけて減価償却を営業費用として計上していくはずの費用が減損損失として一括で損失処理されるとね、先に吐き出した分将来の営業利益が良くなるのよ。
だから不況時に当期の利益を諦めた会社が減損損失を計上して、翌期以降のV字回復を図るなんていう戦略的な話も実はそこそこ多いのよね。全く変な話ね。
ちなみにこういった影響を極力排除するために、よく議論になる減損損失なんかはIFRSでは全て営業費用としての処理しか認めていないわ。私の感覚的にはその方が正しいのよね。

そんな特別損益だけど、20年位前は何か起きる度に会社が特別損失に計上したがってほいほい計上するものだから、それも段々と厳しくなって、今では本当に特別損失として計上するのが正しいのかに対する監査の対応もとても厳しくなっているわ。
(ちなみに固定資産売却損、減損損失は財規で特損が認められているので議論の余地がなく最も楽に特損に放り込める科目よ。もう財規が古くて監査のスタンスと合ってないのよね。)

毎回、何かこういった事象が起きる度に経理部長は監査法人と闘ってるの。金額が正しいかの議論も多いけど、こういった区分損益の闘いもとっても多いのよ。経営者の要望である特別損失処理と、むやみに特別損失を計上することに対して年々厳しさを増す監査法人の対応、その板挟みにあいながらもがき苦しみ、毎回どうにか着地点を模索するのが私みたいな経理部長のお仕事の一つよ。
ちなみに経理の人間として一番やってはならないのは安請け合いよ。いくら上が特損処理を望もうが無理なものは無理、自分の首を絞めることになるわ。時代の変化に応じて感覚を常にアップデートして、これなら監査を乗り切れる!と思うなら勢いよく返事して100%の力で闘い切るの。
上からの信頼はこういった時の適切な判断とコミットメント実行力で得られるものよ。

なかなか若手スタッフには見えない議論の一つだと思ったので、月次決算の最中に昼休みを利用して書かせて貰ったわ。

ふむふむなるほど、と思ったらライク&フォローして貰えたらとっても励みになるわ。

今日も一日がんばりましょうね!

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