私小説っていいな

西村賢太の苦役列車を読んだ。私小説っていいなと感じた。どんなに辛い環境においても、その状態を私小説というものにアウトプットすれば、何か報われるのではないか。
私も昔は閉塞感が漂う生活をしていた。彼女がいる訳でもなく、友達が多い訳でもなく、職場と寮の往復で毎日は過ぎていった。元々外出するのがあまり好きではないため、もっぱら狭いワンルームの中でゲームをしたりニコニコ動画を見ながらビールを飲んでタバコを吸って暮らしていた。
そういう状況にウンザリして行動を起こすようになって今の妻と出会う。それから生活は一変するのだけど、もし私が私小説というものを知っていたら、あの閉塞感漂う生活も続いていたんじゃないかな。暗い毎日でも私小説としてアウトプットできれば生き甲斐に変わると思う。それは逆に考えれば、例えば今現在ものすごく不幸な環境に身を置くことになったとしても、私小説という心の拠り所はあるのだから怖いものは何も無いということだ。これはとても大きな発見をした。

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