【読書感想】平場の月
平場の月 朝倉かすみ 光文社文庫
最後の章で泣いてしまった。自分というものが確立されている(完全になったという意味ではなくて)大人たちの恋というか、これからを一緒に生きていきたいなという主人公の気持ちの方向性が良かったな。自分のダメなところも恥ずかしいところもめちゃめちゃにむき出しなわけではなくて、でも上手に出していきあうところ、読んでいて一緒に恥ずかしくなっちゃったりしないところ、でもそれが故に不器用だなあと思わせるところ、男性性も女性性も過度に協調されていないところ、でもそれなりに自然に組み込まれているところ、年代が違うので響かないかなと思っていたけれどよかったなあ。