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花を贈ること

毎日書くと決めた二日目。
いざ宣言すると、なんとしてでも続けようとするからいいですね。

何を書こうか、なんて思った時に、花のことが浮かびました。
僕はやっぱり花が好きなんだ。


大学の後半2年間、花屋でバイトをしていました。
なぜ花屋を選んだのかは、あまりはっきり覚えていないけれど、未経験の世界に触れたかったことだけは覚えています。

大学生で、しかも男が花屋で働くのはなかなか珍しいんです。時間の融通が効かないから。周りはフリーターや主婦の年上の女性ばかり。
やっていけるのか不安だったけれど、雇ってくれた店長も、それを支える社員やアルバイトも、みんな厳しくも優しく教えてくれました。

花というのはとても繊細で、ちょっとしたことで折れてしまったり、傷ついてしまったり、枯れてしまうことだってあります。

でも丁寧に、大切に、花のことをしっかり見つめながら接すると、それに呼応するように長く綺麗に咲き続けてくれます。

不思議なのだけど。
生きているからなんだなと教えられました。


この経験があるので、今でも僕はよく花を買います。
自分のために買うこともあるし、誰かに贈ることも多いです。

誰かに花を贈ったことはありますか?
もし無いのなら、何かの機会に挑戦してみて欲しいです。
別に誕生日や記念日でなくてもよくて、ちょっと人と会う時に渡すのでもいいと思います。

誰かに花を贈るというのは、自分の気持ちを伝えることにとても近い気がする。

たくさん相手のことを考えるはずです。花のことを知っていても、知らなくても。どんな花だったら良いのか、どれなら喜んでもらえるか、驚いてもらえるか、キザに見えないか、イヤらしく見えないか、とか色々考えるんじゃないかな。

相手のことを考えないと、きっと適当にだって選べないような気がします。

その人らしい花を贈っても良い。普段の服装や髪型に合うような色・形を思い浮かべて、近いものを選ぶのも良い。その人のセンスに近いものを想像してみても楽しいはず。

はたまた、もし自分の知っている花があれば、その魅力をお裾分けする気持ちで贈っても良いと思います。

香りの良い薔薇だったり、少しずつ開いていくシャクヤクだったり、切り花でも水に付けておくと伸びていくチューリップだったり。

今の時期は、リューカデンドロンという花。
はじめはアルマジロみたいな硬い蕾の姿だけれど、次第にその蕾が開くと、優しい白い綿毛と一緒に、雪の結晶のような、星のような形に姿を変えます。もし興味が湧いたら、近所の花屋で聞いてみてください。

花を贈ると、渡したその時だけじゃなくて、花が開き、枯れるまで、その日のことを少しずつ思い出すかもしれません。
枯れてしまった時は少し寂しいけれど、きっと贈ってくれた人にもう一度「ありがとう」という気持ちが湧くと思います。


花に触れる機会が今まで無かった人は、たった一本でいいから、花を飾ってみて欲しい。どんな花でもいいです。正解なんて無いから。

今の世界は、みんな正解とか満点とか、そういう基準を求めすぎているような気がしていて。でも、花はそんな評価が欲しくて咲いてるわけじゃない。

自分が綺麗だと思ったもの、可愛いと思ったもの。見た事があっても、無くても、どちらでも何か選んでみると良いと思います。

一本選んだ時に、どうしてそれを選んだのか振り返ってみると、少しだけ自分の事が分かる気がします。自分は明るい気持ちになりたいのか、落ち着いた気持ちなのか、選ぶのも躊躇うくらい疲れているのか。

花瓶でも、コップでも、水を入れて活けてみると、自分の気持ちに寄り添ってくれるような気分になると思います。

毎日水を変えて、少しだけ茎を短く切ってあげると長持ちします。
丁寧に、大切に。自分の気持ちと向き合う機会ができるかも。


なんか、オススメ記事みたいになっちゃったな。
そういうつもりはあまりないんだけれど。

毎日書く上で、「それっぽく」書くことは一切やめようと思ってます。だって、それって自分の言葉じゃないような気がするから。テクニックとか、そういうものを磨くのはまた別の部分であって、これは自分の気持ちとか感情とか、頭の中をそのまま映し出せるように書いていきたい。

だから読み返しこそすれ、ウケを狙った編集的なこともしたくないし、当然ながら大袈裟な表現とか嘘は付きたくない。

そういうことをしてしまうと、癖になる気がするんですよね。
自分の本当の気持ちよりも、周りからの反応とか、数字みたいなものを重視して、どんどんしょうもない姿になっていくと思います。

「この花、SNS映えするから買おう」とか思いたくないじゃないですか。
それと同じで。

ペットの写真、子どもの写真は高感度が上がるから投稿しよう、みたいな発想はしたくない。もちろん純粋に可愛いくて見て欲しいとかならいいけれど、生き物を道具みたいに扱ったらもうダメですよね。

僕は自分のために花を買うし、あまりにも可愛かったらみんなにも共有したい。そんな気持ちでこれからも生きていく。

今日はバナーに載せたグリーンを選びました。
名前忘れちゃったけど。名前がカッコよかったんだよ。忘れちゃったけど。


花をもらうことはあっても、贈る人は少ないかもしれません。
今までもらうばかりだった人も、贈ってみると色々なことに気付けるかも。

分からない時は、僕に聞いてくださいね。
親身になりながらも「全部かわいくない?」って言っちゃうと思います。


ふー。
なんとか二日連続で書けました。
この習慣は「毎日の隙間」としてマガジンにしておこうと思います。

リューカデンドロン、良かったらお店で直接見てみてくださいね。
ネットで調べちゃダメよ。

いただいたサポートは取材や今後の作品のために使いたいと思います。あと、フラペチーノが飲みたいです。