【コマースチャンネルVol25】オンデマンドプリントSaaS/Rent-to-Own不動産テック/旅行AI価格提案app/ブランドとエージェンシーのマッチング/コーチング付きダイエット食品EC

EC/OMO/マケプレ領域の注目資金調達ニュースをお届けします(日本でも投資したいと思う企業をpickしてます。関連領域で起業している方/準備中の方ぜひ、ご連絡ください!!)下記メルマガでも配信してます。

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①オンデマンドプリントSaaS「Gelato

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設立年:2007/ノルウェー
調達金額:240Mドル/@1.05B
主要投資家:Goldman Sachs Asset Management, Insight Partners, SoftBank Vision Fund, Dawn Capital, SEB Pension Fund
事業概要:
 オンデマンドプリントサービスをEC事業者向けに提供しています。EC事業者・クリエイターはGelatoのAPIを自社のシステム(shopifyやetsyとも連携)と繋ぐことで自社サイトで、gelatoのインフラを活用したオンデマンドプリント製品の販売が可能となります。商材はTシャツ、ポスター、フォトブック等複数のカテゴリーに対応しています。Gelatoは32の国に100の製造パートナーがおり、ローカライズしたインフラを保有することにより、3日以内での配送が可能(配送もGelatoが実施)という強みがあります。また、地産地消で不要な商品を作らないことからサステイナビリティの観点も注目されています。今後はアジア圏の強化、3D プリンターの導入などインフラのさらなる拡充に投資していくそうです。
一言コメント:
 APIエコノミーと製造のアウトソースをかけ合わせたembed-commerceの領域ですね!クリエイターエコノミーの発展に伴い、”簡単に作れる、簡単に仕入れられる”、という軸のスタートアップは大期待です!
記事リンク:
https://www.finsmes.com/2021/08/gelato-raises-240m-in-funding.html

②Rent-to-Own不動産テック「Divvy

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設立年:2017/米国
調達金額:200Mドル(Series D)
主要投資家:Andreessen Horowitz, Tiger Global Management, Cross River Bank, GIC, GGV Capital
事業概要:
 rent-to-own型の不動産テック企業です。従来の不動産ローンを組めない人向けのサービスで、Divvyが不動産を代わりに購入し、ユーザーにリースする仕組みをとっています。ユーザーは賃貸からスタートし、いずれ購入することができるということで、”rent-to-own”型と呼ばれています。ユーザーは簡易的な審査を行い(直近3ヶ月の給与で審査)、その審査結果に応じて、実際に住むことが可能な住宅の一覧が提示されます。初月に物件価格の1-2%払えば住むことが可能となり、毎月で「月の賃貸+物件価格0.1-0.2%」を支払い、頭金、上乗せ分は貯金としてDivvyが管理する形式となっています。3年間のリース期間内でユーザーはいつでも購入することが出来き、その際、Divvy管理で貯金していた金額(不動産価格の10%程度に及ぶ)も活用することが出来ます。また、購入しない場合でも貯金していた金額から2%程度の手数料を除いた額を、引き出すことが出来ます。約4割の人が購入するというoptionを選択しているとか。現在米国16都市で2.5万人の不動産エージェントと連携しつつ事業を拡大させており、トラクションは2月時点($490Mで調達)の3倍になるそうです。debt調達も$850Mするなど、投資を加速しており、今後の成長が期待されます。
一言コメント:
 不動産や自動車といった高額商品ECはfintechを絡めたスタートアップ多いですね。日本でもコロナ禍でライフスタイルの変化が激しく楽しみな領域。
記事リンク:
https://news.crunchbase.com/news/rent-to-own-startup-divvy-homes-raises-fresh-200m-six-months-after-previous-funding/


③旅行AI価格提案app「Hopper

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設立年:2007/カナダ
調達金額:175Mドル(Series G)
主要投資家:Citi Ventures, Brightspark Ventures, Inovia Capital, Capital One, WestCap
事業概要:
 航空券の「買い時」を教えてくれるappです。航空券や宿の価格は、利用日までの日数、受給のバランスによって変動しますが、hopperは価格予想AIを用いて、いつ買えば最も安く購入できるかを教えてくれます。具体的には、「今すぐ買うべき」、「これから安くなるからもう少し待つべき」といった提案をしてくれます。今では航空券以外にもホテルやレンタカーもhopperから予約が可能です。またコロナにより予約の柔軟性が求められており、キャンセル対応・日程変更対応も柔軟にできるようになっております。その他、BNPLやhopperポイントなど、fintech周りの機能強化も差別化になっています。今年3月からの取組として、これまで培ってきたシステムのOEM提供も開始しました(hopper cloud)。コロナ禍初期の頃は事業は下降し、従業員の40%をレイオフし、また、対応が悪いとユーザーレビューも荒れましたが、今では、見事に回復しコロナ前の実績と比較しても2倍に成長しているそうです。今後は、プロダクト投資、人員を拡大しますが、人員については500人(うち300人はCS)を採用していくそうです。
一言コメント:
 AIを用いた差別化されたメタサーチ領域から、決済等の内製していくone-stop化戦略は、旅行のみならずEC全般で応用できそうです! 
記事リンク:
https://techcrunch.com/2021/08/17/hopper-raises-170m-on-3-5b-valuation-as-travel-surges-and-its-fintech-tools-help-offset-variant-concerns/

④ブランドとエージェンシーのマッチング「Breef

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設立年:2019/米国
調達金額:3.5Mドル
主要投資家:UpHonest Capital, Greycroft
事業概要:
 ブランドとブティックエージェンシーをマッチングするアウトソーシングPFです。顧客をブランドに特化しており幅広い領域(ブランディング、UXUX、SEO、amazon・shopifyコンサル、他多数)でのエージェンシーサービス(20カ国5000を超える精査されたエージェンシー)を提供してます。創業者自身が前職でエージェンシーを探すのに苦労した経験があったことから起業にいたったようです。従来のアウトソーシングPFとの違いは高単価案件に特化しており、公募・コンペ・契約・支払いまでをシームレスに行える点です。breefの場合、チームベースで動くプロジェクト型を重視しており金額で$25k、期間で半年に及ぶ案件が平均だそうです。プロジェクトを公募してから5日以内に提案を受けられる”素早さ”、従来のエージェンシーよりも”32%安く”案件を依頼できる点もブランドに評価されています。マネタイズはPJ決定時、ブランド側からの$399です。リモートワークの普及も追い風となり今後が期待されます。
一言コメント:
 総合型マケプレが出た後に特化型マケプレが出てくるのはよくあることで、コマースに特化したこういったPFもポテンシャルがあると思います!
記事リンク:
https://techcrunch.com/2021/08/20/greycroft-leads-3-5m-into-breef-an-online-marketplace-for-ad-agencies/

⑤コーチング付きダイエット食品EC「Trifecta

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設立年:2015/米国
調達金額:20Mドル(Series B)
主要投資家:Spring Lake Equity Partners、 Data Point Capital, Raptor Group
事業概要:
 栄養管理コーチングapp付きの食品ECを提供しています。食品は、オーガニック、グルテンフリーといった健康的な素材を利用しています。週100ドル程度(送料無料)で7食つくサブスクリプション型サービスです。コースは、通常コースからビーガン向けまで幅広いラインナップを揃えています。食品ECに加えて、筋トレのレッスン動画や、コーチングを受けられたり、同じ意識を持ったコミュニティを提供しているのも特徴です。スポーツリーグやフィットネス企業とも連携するなど、ワークアウトをウリにしており、これまで260万pondの減量に当サービスで達成したそうです(ライザップ的な要素を感じます)。もちろん、食事データ(600万の食品DBと連携)、ワークアウトデータをapp上で管理することも可能です。また、検査キットを用いた健康診断データを元にカウンセリングもうけられるそうです。すでに黒字化しており年間売上も$100Mを突破しているとのことです。「Peloton for nutrition」を目指す当社は今後より、デジタルドリブンを加速させていきます。
一言コメント:
 「peloton for nutrition」という言葉にあるように、デジタルとアナログが統合されたコマース体験は、この会社に限らずあらゆる領域で進んでいきそうです!
記事リンク:
https://www.finsmes.com/2021/08/trifecta-closes-20m-series-b-funding.html

その他こまちゃん調達紹介

・自動車ディーラー向けSaaS(FMS)「Fuse Autotech」:10Mドル調達(米国/Series A)
https://www.finsmes.com/2021/08/fuse-autotech-raises-10m-in-series-a-funding.html
・子供服D2C「PatPat」:160Mドル調達(中国/Venture - Series Unknown)
https://36kr.jp/146475/
・女性・家族向けバーチャルクリニック「Maven clinic」:110Mドル調達(米国/Series D)
https://www.finsmes.com/2021/08/maven-clinic-raises-110m-in-series-d-funding.html
・ハイパーローカルマーケットプレイス「Karrot Market」:162Mドル調達(韓国/Series D)
https://techcrunch.com/2021/08/17/south-korean-online-secondhand-marketplace-danggeun-market-raises-162m-at-a-2-7b-valuation/
・アパレル向け3Dモデル制作SaaS「Browzwear」:35Mドル調達(シンガポール/Series A)
https://www.finsmes.com/2021/08/browzwear-raises-35m-in-first-funding.html
・自動車修理派遣PF「RepairSmith」:42Mドル調達(米国/Series B)
https://techcrunch.com/2021/08/19/repairsmith-raises-42m-series-b-to-bring-auto-repair-to-customers-doorsteps/
・オンライン特化自動車小売「Canada Drives」:80Mドル調達(カナダ/Series B)
https://techcrunch.com/2021/08/18/canada-drives-raises-79-4-million-to-expand-online-car-purchasing-and-delivery-platform/
・ヘッドレスコマース「Nacelle」:50Mドル調達(米国/Series B)
https://techcrunch.com/2021/08/19/tiger-global-backs-nacelle-with-50m-for-its-e-commerce-infrastructure/
・中古車マケプレ「Cars24」:200Mドル調達(インド/Series E)
https://www.techinasia.com/indian-usedcar-marketplace-cars24-raise-350m-softbank?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+PennOlson+%28Tech+in+Asia%29
・自動車サブスク「Kovi」:104Mドル調達(ブラジル/Series B)
https://www.cbinsights.com/research/kovi-series-b-funding/
・アマゾンブランドロールアップ企業「D1 Brands」:109Mドル調達(米国/Series A)
https://www.finsmes.com/2021/08/d1-brands-raises-123m-in-series-a-financing.html
・農作物保護シールの開発「Apeel Sciences」:250Mドル調達(米国/Series E)
https://techcrunch.com/2021/08/18/apeel-bites-into-another-250m-funding-round-at-a-2b-valuation-to-accelerate-fresh-food-supply-chains/
・自動車保険PF「DigiSure」:14Mドル調達(米国/Seed)
https://techcrunch.com/2021/08/19/digisure-the-mobility-insurance-platform-with-high-tech-screening-comes-out-of-stealth-with-13-1m-raise/
・南米版shopify「Nuvemshop」:500Mドル調達(ブラジル/Series E)
https://www.finsmes.com/2021/08/nuvemshop-raises-500m-in-series-e-valued-at-more-than-3-billion.html
・工場の効率化SaaS「Tulip Interfaces」:100Mドル調達(米国/Series C)
https://www.cbinsights.com/research/tulip-series-c-funding/
・ヘッドレスコマース「Shopistry」:2Mドル調達(カナダ/Seed)
https://jp.techcrunch.com/2021/08/18/2021-08-16-shopistry-bags-2m-to-provide-headless-commerce-without-the-headaches/
・ECイネイブラー(インド)「UpScalio」:43Mドル調達(インド/Series A)
https://www.techinasia.com/ecommerce-marketplace-focussed-indian-startup-stealth-mode-raises-425m

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