【コマースチャンネルvol30】自社マケプレを作成・管理するPF/ライブコマースPF/ソフトウェアのM&A PF/飲食店向けテーブル決済PF/ネット専業グローサリー（ルート配送）

2022年3月1日 10:08

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①自社マケプレを作成・管理するPF「Mirakl」

設立年：2011/フランス
調達金額：555Mドル(Series E)/@$3.5B
主要投資家：Silver Lake, 83North, Felix Capital, Bain Capital Ventures, Xavier Niel
事業概要：
　マーケットプレイスの立ち上げ・管理支援SaaSを提供しています。顧客はMiraklを用いることで、amazonに対抗しうる自社マケプレを立ち上げられます。BtoC、BtoB、サービス商材等幅広いビジネスでマケプレ開設・運営が可能となり、顧客にはベストバイやカルフールの超大手を始め300社を超えています（合計3.5万+の売手が参加）。2020年にはmiraklを用いて作られたマケプレ上での取扱高が$3.1Bに及んだそうで、21年には$5Bを突破するとか。また、Miracl Connectという機能では、3rdpartyセラーとMiraklの顧客をマッチングしており、Miraklで作った自社マケプレに、元々取引のなかった3rdpartysellerの商品を簡単にリスティングすることを可能にしているなど、複数マーケットプレイスを繋ぎエコシステム構築を狙っています。
一言コメント：
　Amazon、アリババのようなマケプレを作れるようにとマケプレ版Shopify的で面白いです！特にマケプレ間を繋ぐエコシステム構築はポテンシャル大きそう
記事リンク：
https://www.cbinsights.com/research/mirakl-series-e-funding/

②ライブコマースPF「NTWRK」

設立年：2018/米国
調達金額：50Mドル(Series B)
主要投資家：Goldman Sachs, Live Nation Entertainment, Foot Locker, UTA Ventures, LionTree
事業概要：
　ライブコマースPFを運営しています。GenZ、ミレニアルを中心にポップカルチャー関連（ストリート、スニーカー、フィギュア等）でのライブコマースを軸にNFT商品やバーチャルフェスティバル等にも進出しております。プロダクトを触るとエンタメコマースど真ん中といった感覚です。バーチャルフェスティバルも月数回開催しておりますが、例えば、昨年”TRANSFER”というイベントでは30ブランドを集め、ミュージカルパーフォーマンス等を含んだイベントを開催。24万人の購入者、1000万viewerを集めたらしいです。今回の調達は、グッチ、YSLを擁するKeringや、レブロンジェームズやドレークなども含んでおり、ポップカルチャー軸のライブコマースであることがわかります。オリジナル商品やオリジナルコンテンツ（ビリー・アイリッシュ等の著名人を招いた）にも力を入れており集客につなげています。ライブコマース市場は中国では21年には$300Bになると言われている一方で、米国では$11Bにとどまると推定されておりまだ成長余地がある注目市場となっています。
一言コメント：
　中国に続きアメリカでもライブコマース来てます🎤コマースというよりエンタメってくらいの世界観が凄い
記事リンク：
https://techcrunch.com/2021/09/23/livestream-video-shopping-app-ntwrk-raises-50m-from-goldman-sachs-kering/

③ソフトウェアのM&APF「Flippa」

設立年：2009/オーストラリア
調達金額：11Mドル(Series A)
主要投資家：Andrew Walsh, Tim O'Neill, OneVentures, Matt Mickiewicz, Guy King
事業概要：
　オンラインビジネスのM&Aマケプレです。ECサイト、SaaS、アフィリエイトサイト、ブログ、アプリ等幅広いオンラインビジネス（事業も数万円～数億円まで幅広い）のM&Aをone-stopで実施できるマケプレです。この切り口では世界最大だそうで、300万人の登録ユーザーがおり、5000+の事業が売りに出ています。月間4000事業程（金額にして$340M)を自社の価値算定ツールで評価しているそうです。売手は直接買手に売ることも可能ですし、M&Aアドバイザーをつけることも可能です。また、Stripe、GoogleAnalytics、QuickBook等と連携してすぐに財務情報を開示することができる機能を開発しています。買い手側もDD（事業診断）、法務サポート、買収資金の調達など、様々なサービスを利用することが可能です（オプションごとに料金発生）。マネタイズは、売り手からは、出品料、広告費、そして成約時の手数料で、買い手からは各種オプションでの課金です。取扱高は年々倍増しているそうです。
一言コメント：
　各種ノーコードツールの普及で簡単にプロダクトを作れるようになり、いわゆるスタートアップではなくスモールビジネスも増えてくるので、不可逆な流れに身を置いてて面白いです
記事リンク：
https://www.finsmes.com/2021/09/flippa-raises-11m-in-series-a-funding.html

④飲食店向けテーブル決済PF「Sundayapp」

設立年：2021/米国
調達金額：100Mドル(Series A)
主要投資家：Coatue, Global Founders Capital, DST Global, New Wave, Julien Codorniou
事業概要：
　QRコードを読み取ることで、メニュー閲覧、テーブル決済が可能となるSaaSを提供しています。主要なPOSとも連携済みでレストラン側のオペレーションも変わらず導入でき（レストラン開拓に大きく貢献）、また、ユーザーから見ると、多様な決済方法（クレカ、Appleペイ、グーグルペイ他）ですぐに会計できる利点があります。これにより、顧客単価は12%Up、チップは40%Up、回転率は10%Upしたそうです。初期費用、月額利用料はかからず、トランザクション量に応じた課金システムだそうです。レストラン創業者とZaland元CFO兼元ManoManoCOOとで創業、たった5ヶ月で、1500店舗のレストランに導入され、110万人もの決済が行われたそうです。年間取扱高にすると$1.6Bに相当するそうで、組織も170人まで垂直立ち上げ。今回の調達でオーダーシステム、ロイヤリティプログラム等の機能開発を予定。22年までに、100を超えるPOS連携、1.5万店舗への獲得を目標にしているとのことです。
一言コメント：
　リリースしてからの急成長凄い！olo、toastと続いて上場したレストランテックですが、まだまだDXは進んでいきそうです🚀
記事リンク：
https://www.cbinsights.com/research/sunday-series-a-funding/

⑤ネット専業グローサリー（ルート配送）「Picnic」

設立年：2015/オランダ
調達金額：709Mドル(Series D)
主要投資家：Alumni Ventures Group, Vulcan, Creative Ventures, Bill & Melinda Gates Foundation, ABN AMRO Fund
事業概要：
　ネット専門のスーパーマーケットです。”Modern Milkman"を称しルート配送（オンデマンド配送ではなく）を採用していることも特徴です。採算の取れるルートをAIで選定することで、配送効率を高めています。商品は店舗の価格と同じで、かつ、送料無料で提供しています（€35～注文可能）。また、仕入れから配送まで全て自社で実施することでサステイナブルなFoodサプライチェーンの構築をミッションとしています（食材廃棄が生じないようにAIで需要予測等を行い仕入れ）。自動化されたフルフィルメントセンターを保有し、前日22:00までの注文は翌日に届けています。配送には100%電動自動車（なんと自社製造）を活用しています。現在オランダ、ドイツを中心に200都市で運営。2020年売上は前年の2倍強の470Mユーロに到達し、21年は1Bユーロへの成長が見込まれてます。今回、ビル&メリンダ・ゲイツ財団からの調達であり、環境面での意識が評価されたようですね。
一言コメント：
　クイックコマース的なマイクロ倉庫のロジ網とは別軸で生協的なルート配送の追求もまたグローサリーECでは魅力的な切り口です
記事リンク：
https://ecommercenews.eu/picnic-raises-600-million-from-gates-foundation/

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