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「人と自然が共存できる、都市衛生の未来を創造する」 新たなミッションとビジョンができるまで

シェルグループはこのたび、企業のミッション「人と自然が共存できる、都市衛生の未来を創造する」と、ビジョン「Respect nature  すべてのいのちの存在が尊重される、思いやりの世界へ」を策定しました。同時に、これらを達成するためのクレド(行動指針)を設定し、未来の都市衛生のあり方を見据えた活動を推進していきます。そこで今回は、新しいミッションとビジョンを中心にお話したいと思います。



父とともにつくった企業理念から
自分の言葉で使命=ミッションを表現

 シェル商事は、私の父が1960年に創業し、2010年に父から経営を引き継いだ会社です。私が入社したのは、事業承継をする2年前の2008年のことでした。
 会社を知ること、社員を知ること、現場を知ること。入社からの2年間は、総務人事や現場、そして経営を学びながら、父が大事にしていた会社への”想い”を聞き、理解することに集中していたことを覚えています。時には衝突することもあり、なかでも当社の実状を把握するための手段の1つとして売上管理システムを導入する際には大きな衝突がありました。父は、システムに投資する余裕があれば、社員に還元するほうがよいとしていました。

 私は父に、「長い目で見て、安定して働き続けられる会社であるべきだ」「次の世代の人が困ることを繰り返してはいけない」、売上管理システムは将来の社員の利益を守るために必要なことだと対話を重ねていきました。
 ここで「会社の利益」と「社員へのメリット」へのアプローチがふたりの間で大きく違っていたことを知りました。さまざまな対話を重ねた結果、父は、ひと言「そこまで言うなら、それでやってみたらいい」と。このように時には衝突しながらも、父から会社を引き継ぐまでに何度も対話を重ね、父の想いや言葉を尊重しながら、ともにつくり上げていったのが、これまでのシェル商事の企業理念です。

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父の想いを明文化した企業理念と行動指針

 この企業理念は2010年に50周年の記念式典で発表し、その3か月後、私は代表取締役社長の職務を父から受け継ぎ、同年末に父は旅立ちました。
 それから10年以上、父と一緒につくった企業理念を頼りに、「父が生きていたらどう判断するのだろうか」と考えながら経営を続けてきました。しかし社会にとっての企業のあるべき姿は時代とともに大きく変化してきています。父の想いから作られたひとつの企業理念だけを拠り所にして、経営していくことに限界が近づいていました。

 「この事業を、未来へどのように繋いでいきたいのか」という想いを社員と共有するためには、父の想いを継承しながらも、父の言葉ではなく、自分の言葉で語らなければいけないとも考えはじめました。

社内のクレド制作チームと対話して策定した
ミッション・ビジョンを実現するための行動指針

 まずとりかかったのは、社員一人ひとりのよりどころとなる行動指針を示すことでした。きっかけは社員からの起案で、採用活動で当社を伝えるためでした。

 そのためにまず、クレド制作チームを社内に立ち上げ、社内アンケートを実施。社内アンケートで得た意見を社員自身で議論する場も設けました。社員が思っていることを洗い出し、その後、言葉の一つひとつを分解して整理し、クレドに込めたい思いや疑問点などを確認していきました。

「シェルグループが求める人物像」を突き詰めていくなかで、人と自然にとって快適な環境を創造するために、私たちはどういう行動をしていけばいいのだろう。シェルグループが目指す事業を、社員一人ひとりが自分事として前向きに捉えられるようなメッセージとはどういうものだろう。ということを考え、そのためには、私達のスタンスを、噛み砕いて分かりやすくした言葉で、丁寧に落とし込んでいく作業が必要だと考えました。

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MVVの構成図

 そうして私が想い描いていたミッションとビジョンを言語化し、クレドとの一貫性を1つ1つ丁寧に検証し、最終版としました。

こうして生まれたのが、シェルグループの「ミッション」「ビジョン」そして、クレドとなる「3つのスタンダード」と「3つのチャレンジ」です。

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私たちの新しいミッション・ビジョン
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クレド<3つのスタンダード>
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クレド<3つのスタンダード>

社員が誇れるシェルグループのバリューとは?
「自然」にフォーカスした視点

新しいミッションやビジョン、クレドの策定にあたり、絶対に欠かせないキーワードがありました。それは、「自然」です。私たちが展開している環境衛生のビジネスは、すべての生き物、土壌、水、空気などさまざまな「自然」に関与し、生き物の「いのち」をコントロールすることで事業が成り立っている側面もあります。

ここで私たちが忘れてはならないのは、「人間も自然の一部」だという視点です。環境に負荷をかけて、生き物の「いのち」を奪うという意義を再認識し、自然への影響を考えて対処をしていくことが大切だと考えています。

これは、幼少期からどこかで感じていたポイントです。環境ビジネスでありながらも、環境に対して思いやりをもち、命を粗末に扱わない、美しく・善い行動を取りたい。この思いを社員の皆さんと共有できたら、私たちはもっと気持ちよく事業活動を行うことができるはずです。

そしてこれが浸透することで、規則として縛ることをせずに、善い行動を増やすことができると考えています。

そこであえて、ミッションの中に「自然」というキーワードを、そして、ビジョンには「いのち」という言葉を使っています。私たち自身が気持ちよく都市衛生ビジネスを展開し続けるために、どうすればよいかを考え続けていきたい。「自然」や「いのち」にとって、なるべく美しい選択肢をえらべるようになりたい。その想いを、この言葉にこめています。


 今日3月17日は、シェルグループの62回目の創立記念日。
昨夜発生しました福島県沖を震源とする地震の影響により、本日開催予定であった創立記念日行事での発表は延期となりましたが、1つのけじめとしてここに記し、来期より、この新しいミッション、ビジョン、クレドを、シェルグループの社員一人ひとりの心・業務・ツールにも反映させ、浸透させていきたいと考えています。

#ミッション #ビジョン  #クレド #事業承継 #生態系 #二代目 #自然と人

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