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【教育】人と自然が共存できる未来のために、いま、私たちができることを知る

前回は地球上で人間以外のいきものと環境を“棲み分る”ために、シェルグループおよび8thCal(エシカル)が取り組んできた自然や環境、害虫・害獣へのいのちの存在に気付くための啓蒙活動・害蟲展についてお伝えしました。その延長にあるのが、「じゃあ、具体的に何をすればいいの?」という疑問にお答えするための次なるアクション、「教育」です。
社内外に向けた教育を通じて、社会全体で自然や環境に取り組む土壌をつくることも私たちの使命だと感じています。

生活空間に侵入してほしくないいきものの特徴は?
理解は興味をもつことからはじまる

私たちは、どのような環境で暮らしたいでしょうか。害虫・害獣のいない環境、ゴミやほこりのない清潔な環境、きれいな空気や水のある環境などを、ほとんどの人が望んでいると思います。

シェルグループでは、このような快適な環境を構成するために、環境衛生のプロフェッショナルとして、害虫獣防除をはじめとするさまざまなサービスを提供しています。とはいえ、衛生的な環境管理は一時的なサービスのみで維持されるものではなく、日々の生活のなかでつくられるもの。継続的に清潔な環境をキープしていかなければ、害虫・害獣の再発も起こりやすくなってしまいます。

それでは、害虫・害獣を寄り付かせないためにはどうすればよいでしょうか。そのヒントは、「いきものは何故その場所を選び、繁殖をしたいのか?」というシンプルな問いの中にあります。いきものが生きるためには、人と同じように「水」「食べ物」「棲む場所」の3要素が必要です。言い換えると、これらが揃っていない空間は、そのいきものにとって魅力のないものになるのです。

そう考えると、対策方法はおのずと見えてきませんか? 一番シンプルな答えは、それぞれのいきものがどんなものを食べて生きているのか、どんな空間を好むのかなどの特徴を知り、「その生き物が好む条件を排除していく」ことを継続的に実践していくことです。考えて見たら、ごく当たり前のことですね。

たとえば、ゴキブリのいない環境って?
京都のお寺の衛生事情をイメージしてみる

たとえば害虫の代表格であるゴキブリ。本来は森で生きている虫ですが、人間の住環境に適応して進化してしまった種がいます。彼らが人の生活圏内に姿を現す理由は、「残飯が捨ててあるゴミ箱の蓋が開いていて、餌が食べ放題!」「床に有機物(汚れやゴミ)がたくさん付着していて、栄養満点!」「ほこりがたまっていて、ぬくぬく気持ちがいい♡」「段ボールが積まれたままで、子育てできるところがたくさんある♡」など、ゴキブリが好む環境があるからです。

一方、隅々まで清掃が行き届いている空間では、ゴキブリが棲みついて繁殖することはほとんどありません。たとえば、京都にあるような古くからあるお寺を思い浮かべてみてください。お寺の多くは屋外との仕切りのないオープンな造りで、ともすればゴキブリの侵入経路ばかりです。中には、宿坊をはじめとした参拝者に宿泊場所や料理を提供するお寺もあり、ゴキブリの餌となるものも扱っているはずなのに、ゴキブリは見当たりません。

これはなぜかというと、「作務(さむ)」といわれるお掃除の修行があり、お坊さんたちが毎朝丁寧に掃除を行っているからです。境内もお庭も厨房も、常にきれいに清められていて、ゴキブリたちが好む環境からはかけ離れているのです。

社内・社外への研修プログラムを充実させ
「教育」を軸とした取り組みを推進

私たち一人ひとりが理想の環境を考え、今までよりも丁寧な清掃を継続していく。自然と人との関係性や“棲み分け”について考えてみる。こうした行動の積み重ねにより、人間が活動する環境から害虫・害獣の数を減らしていくことは可能なのです。そればかりか、化石燃料を使用して作られる殺虫剤を使って害虫・害獣を駆除するシーンを減らしていくことができます。

このような考え方をシェルグループから発信して、もっともっとみなさんに知ってほしいですし、シェルグループのサービスを通してお客さまに丁寧にお伝えていくことも欠かせないと感じています。

そこで、シェルグループでは社員の知識を深めるためにオリジナルの研修コンテンツや動画を中心としたeラーニングのシステム社員研修に取り込んでいます。また、「社内に蓄積された知識やスキルを、外部にも発信していこう」との声も挙がり、社外の方々への教育機会の提供にも注力しています。例えば、法令により義務化された一般飲食店事業者向けのHACCP理念を取り入れた衛生管理の方法や、近年再発しているトコジラミの早期発見と対応方法、また、新型コロナウイルス対策に関するスキルなどのコンテンツなどがあります。最近では、お客さまのニーズに合わせ、その企業様のオリジナル教育コンテンツの開発・オンライン/オフライン研修の企画運営・e-learning環境の提供サービスを開始しています。

ホテル・宿泊施設事業者向け・トコジラミ対応研修セミナー

このようにシェルグループは、①一般の方に向けた啓蒙活動とともに、②徹底した社員教育による高品質なサービスの提供、③さらにはお客様のニーズに合わせたオリジナル研修プログラムの提供という3つの方向で「教育」へのアプローチを強化。その先には、社会全体の環境への意識の底上げとともに、私たちが提供する環境衛生サービスの向上もつながっていくと思います。さらには、自然や環境を広い視点で捉えることが一般にも広く定着し、より環境にやさしく持続可能な都市衛生の未来を創造できることと信じています。

私たち自身をアップデートし続ける

時間が経過していくのと共に、環境も変化し続けています。たとえば、シェルグループの創業当初の1960年代と2022年の今日では、街の風景や建築手法、通信手段、情報速度など、様々な事象が変化しています。
私たちの知識や時には常識さえもアップデートしていく必要があることを、皆さんも感じているのではないでしょうか。

激しい環境変化の中で、最新の業界動向に触れる重要性を痛切に感じて、2019年までは毎年、アメリカで開催されているペストコントロールのカンファレンス・NPMA(National Pest Management Association)主催のPest World 2022に参加していました。コロナ禍でしばらく海外への渡航を控えざるを得ない期間がありましたが、今年は3年ぶりにリアル参加しています。

PEST WORLD BOSTON 2022 Opening Ceremonyの様子 (2022.10.11 筆者撮影)

この世界大会・カンファレンスでは、”CONNECTED. INSPIRED. EDUCATED”をスローガンに掲げ、世界各国からの参加者との交流や、展示会、そしてエデュケーショナルセッションが4日間に亘りスケジューリングされており、世界の動向やトレンド、さらに最新の知見を学ぶことができます。
これらのナレッジを持ち帰り、シェルグループの「教育」事業にも活かして参ります!

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