見出し画像

小3秋からのチームのセレクション②

■東京タワーのふもとでの大会

 身体つきもまだお子様で線が細い息子でしたが、東京タワーの麓のグラウンドで実施した大会に参加しました。この時までは私にはあまりサッカー熱が無かったので、大会の名前すらよく覚えていません。
 ですが、この大会を境にして、息子のサッカーに対して本気で向き合っていこう、と変化するきっかけとなりました。

■試合前の骨折

 チームメイトとのいざこざがあったようで、試合前にスパイクで蹴られて手の指を骨折してしまいました。その時は骨折とは分かりませんでしたが、腫れていたのと、触れた感じでもしや、と思ったのですが、相手からの謝罪もなく、ものすごくモヤモヤした感情を抱えたままではあったのですが、息子も同じように痛いながらも、骨折した怒りをプレーに変えて非常に高いモチベーションで試合に臨んでいました。

■なんだこいつは

 残念ながら、試合は前半が0-2で負けており、逆転するにはちょっと厳しい状況でした。ただ、後半に向けて息子のやる気が尋常でなく、逆転してくる、と言って後半に向かっていきました。

 そこからの快進撃は圧巻で、1点追い上げ、2点目を取り、そして3点目の逆転ゴールを決めた瞬間はチームで歓喜に沸き、親としては涙が出そうな逆転ゴールとなりました。
 チームはそのまま勝利し、その日の大会はその後も勝ち続け、見事に優勝を勝ち取ることができましたが、感動と同時に、3点を取ってきた息子に対し、「なんだこいつは」と感じたのを覚えています。

 このままお遊びサッカーで終わらせてしまってはもったいない。少しでも上のレベルに近づけてやるにはどうすれば良いか。それまではいつサッカーを辞めさせて受験に専念させるのか、を中心に考えていましたが、その考えが吹っ飛んだ瞬間でした。

■ファン1号

 この大会で、息子のサッカーを応援しようと決めたので、個人的にはファン1号と思っていましたが、実はサッカーをやらせ始めて、ずっと試合や大会に連れていってくれたのは妻でした。
 そして、妻はチームで相当に激を飛ばす親でもあったようで、すでに息子に対して期待を掛け、熱を入れてきたファン1号でもありました。
 たぶん、この部分は妻に結構な自負があるようですし、それに見合うだけの熱量を注いできたという事実は、今も変わりません。
 なので、私はファン2号で(笑)

■コロナとシュート練習場

 その時期、ちょうどコロナも重なり、チームの練習・試合も激減し、その中でこのまま衰退していくことに危機感を持っていました。個人的には2階のベランダをネットで囲い、シュート練習ができるように改装して、限定的でもトレーニングができるようにしたり、最も吸収していく時期を無為に過ごす危機感も強くて、何かやらないと、という想いが強かったです。


ベランダにネットをかけてシュート練習場に

■シュート練習は正解?

 奥のネットをビニールひもで9つに区分けし、左上から順に1,2,3という具合に9番まで設定し、何番と宣言してから狙った場所に蹴る、という練習をさせていました。
 その他は自由に蹴らせていましたが、試合でのシュート精度も上がり、フリーキックの威力も高まり、対戦相手を含めてキックで負ける気がしない状況になっていたのはこのシュート練習のお陰であると自己満足しています。

■チームの方向性と目標と

 親バカなのは百も承知で、息子には一定の期待をかけていたし、当時のチームは非常に強く、近隣のカップ戦やトレーニングマッチでは戦績が良く、親としてはいけるところまで行って欲しいと思っていました。
 ただ、担当コーチは情熱に溢れ、強いチーム作りを一生懸命にやっていたと思いますが、それとは裏腹にチームの方針としては試合数が増えて経費がかかるからなのか、大会に勝っても勝ち過ぎと言われ、代表からは良い顔をされなくなっていく大人の事情との間に挟まれて、コロナ禍もあり、徐々に衰退していく足音が聞こえてきました。

■バルサキャンプへ

 気持ちが入り出した私は、どうすればサッカーの技術がより向上するか考え始めました。息子はチームでは足の速さを活かし、カウンターで仕留めるという戦い方をし続けていたので、パスで繋いだり、状況を判断しながらゲームを組み立てて欲しい、という勉強のために、バルサキャンプに行かせよう、という判断をしました。

バルサキャンプ(レッズランド)での写真

 結果としてこれが大正解で、レッズランドまでは遠いわ、暑いわ、で大変でしたが、彼の触れてこなかったサッカーの思考に触れ、一人だけ練習の意図が理解できていない場面もありながら、経験したことのないサッカーの世界を味わったことはとても重要でした。

 何より、そこで出会った先輩が非常に上手な子で、来年は彼のようにリーダーシップを取れるようになりたい、と思えるぐらいに素晴らしい出会いをし、ヘナチョコだった息子をずっと引き立ててくれて最終日のミニゲームでも「お前は天才だ」「きっとやれるから」とプラスの声掛けをしてくれた姿を尊敬にも似た感情を持って眺めていました。

 果たして今は彼のようになれているだろうか・・・

 ただ、そのキャンプを通じて学んだことが親にとっても大きな転機となり、上を見よう、と思えるようになったのは今でも覚えています。
 その点については次回に。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?