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人生の忘れ物

アルツハイマーになった時、人間の核みたいな部分があらわになって、怒りっぽい人は何に対しても怒るし根っから優しい人はずーっと笑ってるんだよ。介護士の母が言ってたことだ。

周りの人を、物事を、自分のことを忘れてしまうってどんな感じだろう。最近「忘れる」ことへの恐怖心を覚えるようになった。

例えば、お店で流れているBGMに「この曲いいな、このアーティスト後で調べてみよう」そう思って帰ってから、あれ、どんな曲だったかな…ってなったり。「あとでやろう」を忘れてしまうことが最近多い。

日常の些細なことかもしれないけど、すごく怖いような気がする。好きな物を忘れてしまうこと、やらなきゃいけないことができなくなること、そうしたらどうなるんだろう。

ずっと昔、芦田愛菜ちゃんがまだ小学生だった頃、若年性アルツハイマーをテーマにしたドラマがあった。よく覚えてはないんだけど、頭をぶった衝撃でお父さん役のトヨエツが毎日少しづつ記憶を失っていく話だった気がする。

アルツハイマーは最近の記憶からどんどんなくなっていき、子供の頃の古い記憶しか残らなくなる。どうなってしまうんだろう、ってさっき書いたけどそんなことも思わなくなるのかもしれない。そう考えたら余計怖い気がしませんか。

最初は自分の記憶と周りの反応の差に「なんで自分は覚えてないの!」ってなっても、徐々に「そんなことは無かったし、そもそもあなた誰?」ってなっちゃうかもしれない。

あたしはまだ20にもなってないし大きな病気もしたことがない。何なら産まれたての時以外入院というものをしたことがない。健康体そのものだけど、だからこそいつそういう病気になるか分からない。だって、あたし人生はみんな平等に出来てると思うから。タイミングは違くてもきっと人生には病気だったり怪我だったりの試練的なものを神様は課すと思ってる。

科学的には証明されてないけど、アルツハイマーになる人はガンにならないし、ガンになる人はアルツハイマーになる、って言われてるらしい。もちろんどちらもならない人はいるだろうけど。

あたしは出来ればなるならガンがいいな。全身が痛くてどんなに辛くても、周りの人を忘れるよりいい。辛いってことを感じれる方がまだいい。家族に迷惑をかけたくないから、とかそういうのもあるけどあたしはあたしを忘れるのがすごく怖い。

「あれなんだっけ」をすぐさま調べないで思い出す努力をすること、「あとでやろう」をちゃんと記憶に留めること、


海馬を大事に生きてこ。




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