【MUP】ブランドの作り方
皆さん、こんにちは!ういんぐです。
今日は自社のファンを育てる為の「ブランドの作り方」についてお話ししていきます。
「1:5の法則」でも言われるように、新規顧客を獲得するには、既存顧客の5倍のコストがかかると言われています。裏を返せば、既存顧客(自社のファン)を囲い込み、育てることができれば、新規顧客に頼らずとも事業を成長させることができるということです。
では、その為に必要なのものは何でしょうか。
それが、今回お話しするブランドです。これまで、いくつかのセッションでブランドの大切さをお伝えしてきましたが、今回は具体的なブランドの作り方について学んでいきましょう。
このセッションを読んでいただければ、次のポイントについて知識を深めていただくことができます!
●企業を成長させるにはブランドが不可欠
●ブランドは中小企業にこそ必要
●ブランド構築の為の「FES戦略」とは
では、今日も学び狂っていきましょう!!
1.なぜ、ブランドが必要なのか
まず前提として、値上げ戦略なしに事業を安定的に成長させることはできません。
下の図のように、販売数が伸びたタイミングで値上げを行いながら、その都度、値上げをする為の施策(行動)を考えていきます。値上げにより一時的に販売数は落ちますが、都度、適切な施策を打つことで右肩上がりの経営を持続することができます。
例えば、これまで1個500円で販売していたハンバーガーを5,000円で売る為には、どのような施策が必要でしょうか。
持ち帰り用に高級な箱を用意したり、箱を開けるとスモークが出るなどの演出を加えたり、新たな付加価値を提供できれば、自ずと値上げを実現することができます。
しかし、必ずしも商品のボリュームであったり、サービスのクオリティであったり、パッケージなどを改善しないと値上げができないということではありません。
ブランド価値(Brand Evaluation)を高めることができれば、自ずと値上げは達成されるのです。
例えば、同じサイズ、同じコーヒー豆を使用している「スターバックス」と「ドトール」のコーヒーを比較した場合、それぞれにいくら支払っても良いと考えるでしょうか。
大多数の人が「スターバックス」の方に、より多くのお金をかけても良いと考えると思います。これこそが、ブランドの差です。この差をVP(Value Premium)と呼びます。
企業がまず取り組むべきなのは、良い商品を作る、良いサービスを作ることではなく、良いブランドを作ることです。良いブランドを作ることができれば、自ずと価格を上げ続けることができます。
2.ブランド戦略
ブランド価値を高める為にはブランド戦略が欠かせません。
ブランド戦略とは、顧客に対して自社の強みに対する共通認識を与えることです。この共通認識がしっかりできていないと、ファンを囲い込んだり、ファンを育てたりということができません。
ブランド戦略があれば、価格競争を回避しつつ、長期集客、高利益を実現することができます。
例えば、「無印良品のイメージを一言で表してください」と聞かれたら、皆さん何と答えるでしょうか。
恐らく、多くの人が「シンプル」と答えると思います。これがまさに、無印良品に対する顧客の共通認識であり、無印良品のブランド戦略です。企業はいかに売上げを伸ばすかという以上に、このブランド戦略を大切にする必要があります。
先ほど例に挙げた無印良品のブランド価値は、金額に換算すると1,760億円になると言われています。もしも、無印良品が派手な柄物の服を販売して1億円の売上げが見込めるとしても、企業としては1,760億円のブランド価値を毀損してしまうリスクを考慮しなければなりません。
繰り返しますが、企業にとって売上げは価値ではありません。ブランドこそが企業の価値なのです。
3.企業におけるブランドの影響力
もう少し掘り下げて、ブランドが企業に及ぼす影響力について考えてみましょう。
皆さん、アパレル大手の「三陽商会」という会社をご存知でしょうか。同社は「ブラックレーベル・クレストブリッジ」「ブルーレーベル・クレストブリッジ」というブランド展開していますが、2015年6月まで高級ブランドである「バーバリー」とライセンス契約を結んでおり、「バーバリー・ブラックレーベル」「バーバリー・ブルーレーベル」としてブランド展開していました。
三陽商会はバーバリーとのライセンス契約が打ち切りとなり、バーバリーのロゴや名前を付けることができなくなったことで、およそ500億円もの売上げが消失してしまったのです。
このように、ブランドは企業に莫大な影響を与えています。
4.FES戦略
ここまでで、ブランドの必要性や影響力の大きさについて理解いただけたかと思います。それでは、いよいよブランドの作り方について学んでいきましょう。
ブランドは、「①ブランド戦略を作る→②大衆にブランド価値(Brand Evaluation)を感じてもらう→③VP(Value Premium)につながる」の一連の流れによって構築されます。
ブランド作りは大企業のみならず、中小企業にも必要です。むしろ、小回りの効く経営ができる中小企業こそ、大企業のブランドを逆手に取ったブランド作りを展開することができます。
ブランド構築では、これから解説する「FES戦略」を意識するようにしてください。
【FES戦略】
●Functional(機能的ブランド戦略)
●Emotional(感情的ブランド戦略)
●Self-expressional(自己表現的ブランド戦略)
(1)機能的ブランド戦略
機能的ブランド戦略は①自社の強み、②特定顧客への特化の2つによってもたらされます。
自社の強みとは、以前にお話をしたUSP(Unique Selling Point)を指します。USPとは下の図のように、顧客ニーズと自社の強みから競合他社の強みを引いた独自のウリのことです。
例えば、ドミノピザはそれまで他社が強みとしてこなかった「スピード」に着目し、熱々で美味しいピザを自宅まで30分で配達するというUSPで一大企業へと成長しました。
このUSPを自社の強みとして、顧客にしっかりと認知してもらう必要があります。
また、特定顧客への特化については、パレートの法則にあるとおり顧客全体の2割である優良顧客が売上げの8割をあげていることから、優良顧客の2割に特化した施策を展開するということです。
特定の顧客に特化するからこそ、平均的ではない、特徴のあるブランドを作ることができます。
(2)感情的ブランド戦略
ブランドの構築する全てのコンテンツは、必ず感情に刺さるものでなくてはいけません。
感情に刺さるコンテンツとする為に必要なのはストーリーテリングの要素です。また、ブランドを隠すというのも大事なポイントです。
世界的に人気を集めているアメリカ発のスーツケースブランド「Away」は、特にミレニアル世代をターゲットにインスタグラムを駆使したブランディングを行っていますが、同社が発信しているのは商品(スーツケース)の情報ではなく、思わず旅行がしたくなるような風景写真です。
つまり、ブランドを通して得られる体験を発信をするコンテンツが、感情的ブランド戦略に不可欠ということです。
また、ブランドのロゴだけではなく、ステートメントも重要な役割を果たします。例えば、次のステートメントを見て、企業をイメージできるでしょうか。
①JUST DO IT!(ナイキ)
②I'm loving it!(マクドナルド)
③お値段以上(ニトリ)
ステートメントは、企業が「自分たちのキャッチコピーは何か」を表明する為のものであり、ブランド作りに欠かせないものです。
(3)自己表現的ブランド戦略
自己表現的ブランド戦略は、①インナーブランディング、②アウターブランディングの両立によって成り立ちます。
①インナーブランディング
インナーブランディングとは、社内を対象としてブランドを浸透させていく活動を指します。
インナーブランドを構築する為には、次のガイドラインを設定し、全社員が実行していくことが必要です。
【ガイドライン】
5感:匂い、カラー、音、感触など
コミュニケーション:禁止語、接客方法、販売方法など
コンセプト:価格、ボリューム、質など
特に、中小企業は人間味のある対応を心がけることで、大企業と大きな差別化を図ることができます。
②アウターブランディング
アウターブランディングとは、社外を対象としてブランドを普及させていく活動です。
これまで、消費行動は「AIDMA(アイドマ)の法則」として、次のように仮説が提唱されていました。
【AIDMAの法則】
Attention(注意)→Interest(関心)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(行動)
しかし、インターネットやSNSの普及により、新たな消費者プロセスとしてコトラーは2016年に「5A理論」を提唱しています。
【5A理論】
Aware(認知)→Appeal(訴求)→Ask(調査)→Act(行動)→Advocate(奨励)
AIDMAの法則との決定的な違いは「奨励」で、他人と情報をシェアするというプロセスが新たに生まれたということです。
この奨励の根源にあるものこそ、「自分が参考にしている人と同じ価値観」、「大衆認識が希少性、高価だと思う優越感」などの自己表現的なブランド価値です。
つまり、企業はこの「奨励」に着目して5Aのサイクルを回し続けなければ、今後の時代を生きていくのは難しいということです。
5.おわりに
いかがでしたでしょうか。
企業にとってのブランドの重要性、ブランドの作り方について理解いただけましたでしょうか。
では、今回のセッションのまとめです!
★ブランド価値を高めることで値上げを続ける。この戦略を抜きに事業の安定的な成長は見込めない。
★企業にとって売上げは価値ではない。ブランドこそが本当の企業の価値。
★ブランド構築では「FES戦略」を意識する。
ーFunctional(機能的ブランド戦略)
ーEmotional(感情的ブランド戦略)
ーSelf-expressional(自己表現的ブランド戦略)
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました🙇♂️
おわり。
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