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「わたしの叔父さん」「ベイビーティース」

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 映画の感想2本まとめて。まずはヌテラで始まりヌテラで終わる「わたしの叔父さん」から。体の不自由な叔父とその介護をしながら家業の酪農を手伝う姪クリスの日常が淡々と描かれつつも、それぞれの感情の機微はちゃんと伝わってきてほのぼのしたり、笑ったり、時折胸が締め付けられたり。

 クリスの「獣医になりたい」という夢はあるけれど叔父さんのことも放っておけないという気持ちも、叔父さんのクリスを自由にしてやりたいという気持ちも分かるだけに辛い・・・。無骨に見えてクリスの初デートのために髪を整えてあげたり、ときおり垣間見える叔父さんのチャーミングさも余計に切ない。結局どの道を選んでも人間は後悔する生き物だから、自分で考えて自分で決めるしかないのだと思わせてくれる地味だけど滋味深い作品でした。(牛舎をうろうろしているおキャット様も可愛いので注目)

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 次は「ベイビーティース」です。ブルーのウィッグをかぶった少女のヴィジュアルはキラキラ青春ムービーのよう。確かにその要素もあるのだけれど、難病を抱える主人公ミラの両親も、恋に落ちたヘンリーも隣人もみなどこか壊れていて難病ものにありがちな悲壮感はあまりないのがよかったです。

 最初はどうしようもないやつにしか見えなかったヘンリーも危なっかしい両親も、それそれ一生懸命にミラのことを思っているのだなと感じられた海のシーンがとても美しくて印象に残りました。(それにしても不良は襟足だけ伸ばしがちなのは万国共通なのか・・・。)

 見出し画像は散歩の途中に見つけた味わい深いペットショップの看板。今月はゴールデングローブ賞を受賞した「ノマドランド」「ミナリ」も公開されるので楽しみです。