見出し画像

「燃ゆる女の肖像」

画像1

 年内にできれば「ワンダーウーマン1984」と「Mank/マンク」を観てから今年のベスト映画を決めたいと思います。その前に「燃ゆる女の肖像」の感想を。

 とにかく美しいものが観たい!という今の気分にジャストフィット。どこをとってもまさに「絵になる」美しい映像と、ラストで胸に刺さるドラマティックな音楽の使い方はグザヴィエ・ドラン監督が絶賛したというのも納得。金髪に青いドレスとブルネットに赤いドレス、美しくも荒々しい海と暖炉や焚き火の炎の対比も効果的でした。

 画家とモデルの恋は何度も描かれてきたけれど、そこにメイドのソフィーのエピソードも加わることでシスターフッド映画にもなっているのが新鮮。三人でオルフェについての解釈を語り合うシーンはずっと観ていたい気持ちになり、唐突に男性が出てくるシーンで違和感を覚えるほど。モデルの令嬢エロイーズを演じたアデル・エネルは見覚えあるな〜と思ったらダルデンヌ兄弟の「午後8時の訪問者」「BPM ビート・パー・ミニット」に出ていたんですね。改めていい女優さんだなと思いました。

 ついでにNetflixで観た2本の感想も簡単にメモ。まずは「獣の棲む家」から。祖国の紛争から命からがら逃れイギリスに亡命した難民夫婦が、引越し先の家でさらに奇妙な現象に襲われるお話。てっきり「ゲット・アウト」系の社会派ホラーと思っていたら、一捻りあってまさかのラストへ。「人は誰しも過ちを犯す生き物であるからこそ、それを償い後悔の念を抱えながら生きていかなければならない」という、とても普遍的なメッセージが伝わってきました。ホラーとしてはそんなにグロくも怖くもないので興味のある方はぜひ。

 次はチャーリー・カウフマン監督の「もう終わりにしよう。」です。最初は女性目線で観ていたので、恋人の両親が急に若返ったり年をとったりミュージカルシーンがあったりでやや混乱。しかし、途中で自分の見方が間違っていたことに気づきハッとさせられ、なんとせつない話だ・・・と愕然としました。恋人役はキルスティン・ダンストの夫でもあるジェシー・プレモンスなんですが、もし大好きなフィリップ・シーモア・ホフマンが生きていたらこの役やって欲しかったなと思いました。(ジェシーはちょっと雰囲気が似ていて、ドラマ版ファーゴもよかったんだけど)

 見出し画像はロイヤルホストの「焼きりんごと塩キャラメルアイスのブリュレパフェ」です。(ちなみに次の苺のブリュレパフェは来年1月13日からだそう。)